初日はアプリリア1-2。ワイルドカード参戦のKTMペドロサはP1でトップタイム/第4戦スペインGP

 4月28日、2023MotoGP第4戦スペインGPの金曜日セッションがスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、MotoGPクラスはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が総合トップで初日を終えた。

 開幕戦ポルトガルGPのスプリントレースで負った怪我により欠場していたエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)は今大会から。ポル・エスパルガロ(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)は前戦に引き続き、欠場となっている。

 また、自身の母国GPであるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は現地に訪れたものの欠場で、スーパーバイク世界選手権(SBK)で活躍しているイケル・レクオーナが代役を務める。そして、テストライダーのステファン・ブラドル(HRCチーム)とダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)のふたりがワイルドカードで出場している。

 午前のプラクティス1は雲が多く広がるも、時々晴れ間が差し込む天候の下で気温27度、路面温度22度のドライコンディションで行われた。序盤は、ミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が唯一の1分37秒台を叩き出してトップに立ち、2番手にはアレイシ・エスパルガロ、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が続いた。

 その後は順位が少し落ち着き、セッション中盤に差し掛かった頃に中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が2番手に浮上。そして残り時間20分を過ぎたあたりで、ペドロサがトップタイムを塗り替えると、続いてホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が2番手につける。

 残り時間10分に差し掛かると、MotoGPクラス2年目のラウル・フェルナンデス(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が5番手に食い込み、さらにその後、中上が再びタイムを更新して全体ベストでトップに立つ。

 残り5分、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)が真っ先に中上のタイムを上回ると、アレイシ・エスパルガロもすかさずタイムを縮めてトップに立つが、さらにそのタイムを上回ったのは中上だった。残り1分を切ると、マルティンが1分36秒台を叩き出して最速を塗り替える。

 しかし、セッション終了間際にペドロサがさらに0.034秒詰めて、なんと再びトップに返り咲く。そのまま最後までタイムを縮めるライダーは現れず、トップで終えている。ペドロサ自身、2021年の第10戦スティリアGP以来のワイルドカード参戦となるが、初日の一発目から速さを存分に発揮することとなった。

 さらに、ヤマハYZR-M1を駆るフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は通常のショートエキゾーストではなく、新パーツとなるロングエキゾーストを試していた。

ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2023MotoGP第4戦スペインGP 初日

 プラクティス2は気温33度、路面温度49度のドライコンディションでスタート。各車が続々とコースに出ていき、セッション12分に最終コーナーでレクオーナが転倒。20分が過ぎるころにはミルもクラッシュを喫した。

 そんな序盤はアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、クアルタラロ、アレイシ・エスパルガロのトップ3だったが、中上がすかさずにトップタイムを記録した。

 セッションが22分が進むと、レクオーナの転倒で最終の13コーナーのエアフェンスが壊れていたため赤旗中断となった。数分で再開すると、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、アレイシ・エスパルガロ、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)のトップ3に。

 セッションが半分を過ぎるとベゼッチのマシンから白煙が上がり、エンジンブロー。そのままコース脇にマシンをとめてピットに戻っていった。セッション終盤にはアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)が6コーナーでスリップダウンしている。

 最後のアタックでは、ようやくP1のトップタイムが更新され、アレイシ・エスパルガロが1分36秒708、ビニャーレスが1分36秒710を出してアプリリアがワン・ツー。1分36秒835のミラー、1分36秒896のザルコ、1分36秒956のオリベイラと続き、僅差となった。

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