手の痛みと「練習不足」 言葉を濁す渋野日向子の変化

左手はまだ本調子ではないよう(撮影/村上航)

◇JMイーグルLA選手権 presented by プラストプロ 2日目(28日)◇ウィルシャーCC (カリフォルニア州)◇6258yd(パー71)

「ショットは曲げ散らかしている」と左右に散るショットに振り回された一日を振り返る顔は、どこか明るかった。33位から出た渋野日向子は最終ホールでバーディを獲ると、通算イーブンパーで予選通過圏内へ。「けっこうしんどかったけど、良かったです」と笑顔で締めた。

年初から青木翔コーチと新スイングに取り組み、ショットの試行錯誤が続いている。加えて、今季メジャー初戦「シェブロン選手権」ではプロアマを棄権し、そこから左手にテーピングを巻いて参戦。手の痛みについて言及を避けてきたが、この日「どうしても痛いものがあると、難しいなと思う。練習不足かな」と初めてこぼした。

今週もショットを打つ練習ラウンドは控えた(撮影/村上航)

シェブロンから今週までの2試合は「なるべく疲労を蓄積させないよう、試合にいい状態で臨めるように」と、練習ラウンドはアプローチとパッティングに絞りショットの練習量を減らしていた。痛みの詳細について問われて言葉を濁す理由には「みんな、何かしら背負ってやっているから」と言い訳にしたくない気持ちが見えた。

「練習量が少なくなっている分、スイングのタイミングが合わなくなってめちゃくちゃになっている感じはある」とこの日もショットのスタッツはフェアウェイキープ率8/14(57.14%)、パーオン率は9/18(50%)で決して満足できる数字ではない。打ちたいドローの球筋にはまだ遠く、左へのミスも出る。ピンのショートサイドを狙う強気のショットを繰り出しても、「自信を持って打っているつもりだけど、思わぬところに飛んでいるのは多々ある」と首をひねった。

ショットの試行錯誤が続く(撮影/村上航)

それでも「ショットが悪い分、その他で頑張らないといけない。準備ができている分、それなりに拾えもした」と、準備に時間を費やしてきたショートゲームは評価できた。シェブロン選手権からショートゲームで粘って予選通過できたことが「練習不足」の言葉を口にするきっかけになったのかもしれない。

最終ホールで下りのバーディパットを強気でねじ込み、今季6試合連続で予選通過。「調子があまり良くない中でも、足りないものをレベルアップするとか、しっかりフォーカスしていきたい」。落ち込むのはもうやめにする。(カリフォルニア州ロサンゼルス/谷口愛純)

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