日本勢2人目の和合初出場Vなるか 蝉川泰果「ゾーンにハマる瞬間が来れば…」

初出場で和合をねじ伏せられるか(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇中日クラウンズ 3日目(29日)◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)◇6557yd(パー70)

出だし1番でボギーをたたき、2番(パー5)で取り返しても、3番と5番でボギーが重なった。追い込まれながら、蝉川泰果は6番をターニングポイントに位置付けた。

ピン位置も含めて「チャンスホール」と見ていた370ydと短いパー4。残り88ydから56度のウェッジでグリーンに向かって打ち上げ、2mに絡めて獲った。「狙ったところで獲れたということは、巻き返しのチャンスがあるのかな」。勢いを取り戻し、そこからさらに4バーディを追加した。

4打差3位で最終日最終組を回る(撮影/中野義昌)

首位と4打差の通算7アンダー3位で最終日最終組に入り、「差はあるんですけど、チャンスがあれば一気に縮めていきたい」と意気込む。アマチュア時代の2勝、2週前の「関西オープン」はいずれもトップからの逃げ切りだった(2022年パナソニックオープンのみ首位タイから)。ただ、昨年6月の下部ABEMAツアー「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」では2打差4位から逆転勝ち。その後の大ブレークのきっかけとなった一戦だ。

レギュラーツアー3勝はいずれも逃げ切り。初の逆転を狙う(撮影/中野義昌)

「優勝できると思っていなかった。上がどんなふうにプレーしているのか、リーダボードも、ハーフターンのタイミングくらいしかコース内にない状態だった」。ひたすら自分のプレーに集中して「63」をたたき出した最終日は、これまで経験したことのない特別な感覚だった。「それこそABEMAのときのように“ゾーン”にハマる瞬間が来れば、それなりにいけるんじゃないか」と記憶に重ねる。

記録が残る1985年以降、初出場で和合を制した日本人選手は1999年の今野康晴しかいない。トリッキーなコースが放つ独特のプレッシャーも、新時代のゴルフでねじ伏せていく。(愛知県東郷町/亀山泰宏)

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