【高校野球春季神奈川県大会】東海大相模の主将・及川 積極果敢な初球攻撃、横浜創学館・鈴木を攻略

【東海大相模―横浜創学館】2回表東海大相模1死一塁。及川が右越え2ランを放つ=サーティーフォー保土ケ谷(立石 祐志写す)

◆準々決勝 東海大相模13-2横浜創学館(6回コールド)

 痛快な金属音が曇天を切り裂いた。4発を含む16安打13得点と打線がうなりを上げた東海大相模。「気持ちで、出だしを意識していた」と声をからして先頭に立ったのは主将の及川だ。

 サイクルヒットまであと一歩の4安打。初回無死一、二塁で浮いた変化球を引っ張り、先制の右越え2点二塁打とすると、二回1死一塁には詰まり気味の打球が右翼フェンスを越えた。「来た球を打つ。フォークボールがある投手なので(狙う)ゾーンを上げることを意識した」と積極果敢な初球攻撃で横浜創学館・鈴木を攻略した。

 昨夏の神奈川大会では主に2番打者としてチーム最多の8犠打を決めるなど黒子に徹した。主将となり、同じつなぎ役でも求める理想像は強打の火付け役だ。「4番につなぎ、チャンスでも打てるバッターを目指している」。第3打席には投前へのバントヒットを簡単に決め、隙を狙う小技も忘れていない。

 原俊介監督(45)の指導の下、体重を毎日管理し、筋力増加に努めた東海ナイン。及川、山内、板垣と脅威の飛距離を誇る左打者が上位打線を形成するが、伸びしろも分かっている。「左打者が多い上位打線。右打者が夏に向けてどれだけ打てるかがテーマ」と原監督。及川も「下位打線がつながればもっと勝てる」と追い求める。

 準決勝の舞台は約9カ月前、1点に泣いた横浜スタジアム。「絶対に打って点を取りたい」と及川が鼻息を荒くすれば、指揮官も「攻撃も守備もチャレンジ」。2年ぶりの第1シード獲得にも、タテジマの照準が揺るぐことはない。

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