【訃報】トヨタ車体&三浦昂とともにダカールラリー市販車部門を3度制したローラン・リシトロイシター逝去

 トヨタ車体は、同社のラリーチーム“チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)”のナビゲーターとして、ダカールラリーなどで活躍したローラン・リシトロイシターが、4月26日に亡くなったと発表した。享年46。

 年始に行われた2023年のダカールラリーにも三浦昂とのコンビで参戦し、TLCが今季から投入した新型『ランドクルーザーGRスポーツ(300シリーズ)』を市販車部門クラス2位完走に導いたリシトロイシター。

 トヨタ車体の発表によると、彼はモロッコで開催されたラリーレイドイベント、モロッコ・デザート・チャレンジへのプライベート参戦中に不慮の事故に遭い、命を落としたという。

 2022年のランドクルーザー200“ラストラン”でのクラス優勝が記憶に新しい彼の活躍は、間違いなくTLCが誇る市販車部門10連覇を支えた。2009年からコドライバーとしてダカールラリーへの参戦を開始したリシトロイシターは、2015年にTLCへ加入。その翌年からトヨタ車体の社員ドライバーである三浦とペアを組み、2018年と2021年、そして昨年のダカールラリーでクラスウイナーとなった。

 また、ダカール通算14回出場のフランス人はトヨタ車体における社員ドライバーの育成にも尽力したほか、今年デビューを果たしたランドクルーザー300シリーズの競技車両開発にも関与するなど豊富な経験と温かい人柄で、つねにTLCの中心メンバーとしてチームを支えていた。

 そんなリシトロイシターの逝去に際し、トヨタ車体は松尾勝博社長による追悼メッセージを発表した。また、長年にわたってともにラリーを戦った三浦も「とても大切な兄弟のような友人を失い、今も信じられません」と自身のSNSでコメントを発表している。

2023年のダカールラリーでは、三浦昂とともに新型『トヨタ・ランドクルーザーGRスポーツ』で過酷なラリーを戦い抜き、姉妹車に次ぐ市販車部門2位となった。

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ローラン・リシトロイシター氏はラリーを愛し、クルマを愛し、モータースポーツの素晴らしさを私たちに教えてくれました。
ラリーにおいては、綿密な準備と世界各国のドライバーをナビゲートしてきた長年の経験、そして天性の判断力で、どんな困難な状況においても常に冷静に、正しい道に導いてくれました。

また、ドライバーとしての第一歩を歩み出した三浦を、ラリーを愛する同志として接し、穏やかな笑顔の中にも時には厳しく叱咤激励いただき、8年間ともに歩み、一人前のドライバーに育て上げていただきました。

私たちはチームにとって唯一無二の存在を失ってしまいましたが、これからもローラン・リシトロイシター氏のラリーへの愛を道しるべに、道なき道を走り続けていきます。

ローラン・リシトロイシター氏のこれまでの数々の挑戦に敬意を表するとともに、これまでの功績を偲び、謹んで心よりご冥福をお祈り申し上げます。

トヨタ車体株式会社代表取締役・社長 松尾勝博

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