盲導犬の入店、もっと理解広まって 法律で義務化もなお低い認知度

オンライン開催のフェスタで、盲導犬の訓練や入店拒否の問題について伝える利用者の清水さん(左)と職員=亀岡市曽我部町・関西盲導犬協会

 京都府亀岡市曽我部町の関西盲導犬協会は29日、盲導犬や視覚障害について理解を深める催し「盲導犬Love’S(ラブズ)フェスタ」をオンラインで開いた。盲導犬利用者を安全に導く訓練の様子のほか、店舗での受け入れ拒否について伝え、約150人が視聴した。

 同協会は従来、4月の最終水曜の「国際盲導犬の日」に合わせて施設を公開してきたが、新型コロナウイルスの影響で、同協会からの中継と事前に撮った映像を伝える催しに切り替えた。

 訓練内容では、段差や交差点で止まって知らせる様子を紹介した。利用者のインタビューでは「自由に外出できる」「移動にかかる時間が白杖を使うときの半分になった」などの声を取り上げた。

 また、広島市の鍼灸マッサージ師清水和行さん(62)が、協会から貸与された盲導犬と一緒に出演した。店舗を含む公共の施設は盲導犬の受け入れが法律で義務化されているが、理解が浸透していない現状を訴えた。

 34年前に広島県初の盲導犬利用者になった清水さんは、当初は認知度が低く「入れる店のほうが少なかった」ため「訓練されたおとなしい犬である」と丁寧に説明してきたという。近年も「年1、2回は断られてしまう。理解が広がってほしい」と話した。

 動画は同協会のユーチューブチャンネルで5月31日まで視聴できる。

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