宋・元時代の中国船の いかり石か 長崎・新上五島沖で2本発見

新上五島町沿岸で発見されたいかり石(県埋蔵文化財センター提供)

 長崎県教委は新上五島町の周辺海域で、中国の宋・元時代(960~1368年)の中国船のものとみられるいかり石を発見したと発表した。
 県埋蔵文化財センターによると3月6日、同町青方港の沖合にある祝言島(しゅうげんじま)周辺の潜水調査で見つかった。県水中文化遺産保存活用推進事業に伴う水中遺跡分布調査の一環。地元ダイバーが同町教委に「いかりのような石材が海底に落ちている」と連絡し、発見につながった。
 確認されたいかり石は2本。「角柱定形型碇(いかり)石」と呼ばれる形状で、長さ約2メートル、幅は最大で25センチ。既に福岡、佐賀両県と松浦市や北松小値賀町の周辺海域などで発見されている。同センターは、新上五島町の周辺海域では発見事例が少ないため、当時の中国大陸との交易ルートや寄港地を考える上で貴重な発見としている。

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