「ボロボロで話にならない」 渋野日向子の焦りと“最下位覚悟”からの現在地

トラブルショットにも見舞われ、最終日は「72」(撮影/村上航)

◇JMイーグルLA選手権 presented by プラストプロ 最終日(30日)◇ウィルシャーCC (カリフォルニア州)◇6258yd(パー71)

渋野日向子は4バーディ、3ボギー1ダブルボギー「72」で終えた18ホールを「ボロボロだった、話にならない」と強い言葉で切り捨てた。通算イーブンパー33位。「もう少し、結果を出さないと」と、今季7戦目を終えて焦りを口にした。

「ショットもパットも、もうむちゃくちゃ」とかみ合わないゴルフにいら立ちが募る。「獲るべきところ」と決めているパー5で、この日は2ストローク落としたのが悔しかった。後半13番(パー5)は1Wショットでフィニッシュが取れず、左にはねてラフへ。2打目でレイアップしたが3打目もグリーンに乗らず、4オン2パットのボギー。15番もパーオンできずボギーを喫した。

試合中、悔しさを表現することも増えた(撮影/村上航)

大会4日間を通して、パー5でスコアを伸ばせたのは「あまり記憶がないくらい」と初日の2番ひとつだけ。「パー5の2ボギーがイタい。微妙なのが入ってくれたのが多いから、ショットで獲れた感覚でない分、うれしさは少ない」。7番(パー3)、8番と約2mに乗せて連続バーディを奪い、14番では7mのバーディパットをねじ込んだが、悔しさを上書きするには至らなかった。

「ボロボロ、話にならない」と切り捨てた(撮影/村上航)

「ショットが悪いなりにほかで補える」と前週「シェブロン選手権」で評価できたショートゲームも、「パーの取り方も“うーん”と思うようなもの。何が良かったかというと、何も出てこない」と首をひねった。「いろいろありすぎて」と上げたらキリがない修正点は、成長の証しでもある。

2月「HSBCシンガポールオープン」で今季初戦を迎えた当初は、スイング改造を始めたばかりでミスショットが止まらず「最下位になると思うくらいの気持ち」で臨んでいた。当時から比べれば「少しずつ試合も重ねていって、スイングのクセもなんとなく分かってきた」と感じる一方で、だからこそ「自分の体をコントロールできなきゃいけない」と求めるレベルに追いつかない現状に焦りが募った。

それでも少しずつ前に進んでいる(撮影/村上航)

「話にならない」と切り捨てた厳しさは、前に進んでいる実感があればこそ。「(初戦の)その時よりは、もう少しレベルを高くというか、上の方を見てやっている感じはある」と自分に期待を持てるからこそ、自己評価は厳しくなる。(カリフォルニア州ロサンゼルス/谷口愛純)

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