楽天、PayPay、ドコモ…ポイント経済圏はどう選ぶべき? 自分に合うところを見つける方法

PayPay、楽天、ドコモ、au、イオンといった系列の多種多様なサービスを複数使うことで、サービスがより便利になったり、割引やポイントなどの特典を受けられたりする経済圏。ポイントはもはやお金のようなものですので、収入が思うように増えず、支出がどんどんふくらむ今こそ上手に活用したいもの。

今回は、自分に合う経済圏を選ぶ3つのポイントと、PayPay、楽天、ドコモ、au、イオンの5つの経済圏の概要を解説します。


自分に合う経済圏を選ぶ3つのポイント

経済圏は使えば使うほどお得になるしくみなので、1つか2つに絞って使い倒すのがおすすめです。経済圏を選ぶ際には、次の3つのポイントを考えてみるといいでしょう。

●ポイント1:普段使っているポイント(クレカ、電子マネー、スマホ決済、ポイントカード)と相性が良いかどうか
キャッシュレス決済が浸透した今、クレジットカード・電子マネー・スマホ決済などを活用している方が多いでしょう。また、ポイントカードを提示してポイントを貯めることも当たり前になりました。

普段から使っている決済で貯まると相性のいい経済圏を選ぶことが重要です。普段使いのキャッシュレス決済も、あれこれとたくさん使うのではなく、1つに集中して使うようにするとよいでしょう。そうすることで、同じポイントがまとめて貯められますし、経済圏でも割引やより多くのポイント還元が得られるなどの恩恵が得られます。

●ポイント2:生活圏で利用できるかどうか、利用できる実店舗数が多いかどうか
いくらお得な経済圏・キャッシュレス決済だといっても、お住まいや勤務先など、生活圏で効果的に使えないようでは、お得になりません。キャッシュレス決済を利用できる店舗はずいぶん増えましたが、よく使う店舗でさらにお得になる特典があるのであれば、そちらを利用した方がよいでしょう。

●ポイント3:還元率が高いかどうか、キャンペーンは充実しているか
キャッシュレス決済のほとんどは、基本の還元率が0.5%~1%です。しかし、キャンペーン期間になると還元率が高くなったり、割引が適用されたり、お得なクーポンがもらえたりします。さまざまなキャンペーンを展開している経済圏・キャッシュレス決済を利用した方がよいでしょう。

PayPay・楽天・ドコモ・au・イオン 5大経済圏の概要

PayPay・楽天・ドコモ・au・イオンの5大経済圏を図で簡単にまとめてみました。

店舗・ネットでの支払い方法と還元率の目安、その他の主なサービスで得られる還元を紹介します。
なお、還元率は所定の条件をすべて満たした場合の最大値(2023年4月16日調査時点)。その他キャンペーンや制度の変更などによって還元率が増減する場合がある点はご了承ください。

●PayPay経済圏

PayPay経済圏は、ソフトバンクグループの経済圏です。PayPayといえば、スマホ決済でおなじみのアプリですね。登録ユーザー数も5500万人を突破(2023年2月時点)、加盟店は374万カ所(2022年6月末時点)にのぼります。

PayPay経済圏では、「PayPayポイント」が貯まります。
PayPayの基本還元率は0.5%ですが、PayPayあと払いの利用で翌月+0.5%、月30回300円以上・10万円以上利用で翌月+0.5%にできるため、最大で1.5%還元にできます。加えて、Yahoo!ショッピングではPayPayの支払いを「PayPay残高」(チャージしたお金)で行うことで最大5.5%、「PayPayあと払い」や「PayPayカード」を利用して支払うことで最大5%の還元を常時受けることができます。Yahoo!プレミアム会員やソフトバンク・ワイモバイルのユーザーならさらに2%還元が受けられます。

PayPayカードゴールドを利用すると、ソフトバンクのスマホや光回線代の支払いで10%還元も得られます。ソフトバンク・ヤフー関連のサービスをたくさん利用している方が有利な経済圏です。

●楽天経済圏

楽天経済圏は、楽天グループの経済圏です。楽天経済圏を使うことで、「楽天ポイント」が貯められます。楽天ペイは約500万カ所で利用可能(2022年6月時点)です。

楽天経済圏の決済方法には、楽天ペイ・楽天カード・楽天Edyなどがありますが、おすすめは楽天ペイ。楽天カードでチャージした「楽天キャッシュ」を使って楽天ペイで支払うことで、最大1.5%のポイント還元が得られます。そのうえ、楽天ポイントカードの対象店舗ならば楽天ポイントカードを提示することでさらに1%のポイントがもらえます。

また楽天経済圏を使う際はSPU(スーパーポイントアッププログラム)がお得です。SPUの対象サービスを利用して条件を達成すると、楽天のショッピングサイト「楽天市場」での買い物で得られるポイントが最大16倍(16%)に増えます。SPUの条件はときどき変更されますが、複数のサービスを楽天経済圏で利用するなどして、なるべく条件を満たしたうえで楽天市場を利用すれば、ポイントがどんどん貯まります。

●ドコモ経済圏

ドコモ経済圏を利用することで、「dポイント」が効率よく貯まります。d払いは約448万カ所で利用可能です(2022年12月末時点)。

d払いの基本の還元率は0.5%ですが、支払い方法をdカードに設定すると還元率が+0.5%。また、ドコモユーザーであれば「ステップボーナス」によって、毎月のd払いの決済回数(200円以上)に応じて、最大1.5%のポイント還元が得られます。なお「ギガホ」「ahamo大盛り」を契約していればこれに加えてさらに0.5%のポイント還元がありますが、2023年6月9日分をもってこの特典は終了します。

ドコモユーザーでなくても利用できますが、やはりお得なのはドコモユーザーです。PayPay経済圏同様、dカードゴールドを利用してドコモの利用料金や光回線の代金を支払うと、10%のポイント還元が得られます。

●au経済圏

au経済圏では、Pontaポイントが貯まります。au PAYは約565万カ所で利用できます(2023年2月末時点)。

au PAYの基本の還元率は0.5%ですが、au PAYゴールドカードを利用してチャージした場合には+1%の還元が得られます。また、毎月5のつく日と8日は「たぬきの吉日」といって、auユーザーなら+4.5%、UQモバイルユーザーなら+2.5%の還元があります。すべて活用すれば6%(4%)。エントリーして条件を満たすと、一度に多くのポイント還元が得られます。

また、ネットでの買い物でau PAYカード・au PAYゴールドカードを利用することで「買い得メンバーズ」では、店舗やカードの利用、電子書籍やふるさと納税など最大9%の還元が得られます。

PayPay経済圏、ドコモ経済圏と同じく、au経済圏もauユーザーでなくても利用可能ですが、au関連サービスのユーザーへの特典が多いですね。3%の還元が得られる「三太郎の日」もauスマートパスプレミアム会員限定です。

●イオン経済圏

イオン経済圏は、イオン系のスーパーを中心とした経済圏です。イオン銀行が発行するイオンカードセレクトは、イオン銀行のキャッシュカードとクレジットカードと電子マネーWAONの3つの機能が1つになったカードです。イオンはもちろん、まいばすけっと、マックスバリュ、ピーコック、ダイエーといったイオン系列のスーパーで特典が得られます。また、スマホ決済アプリとしてiAEON(AEON Pay)があります。基本還元率はありませんが、イオンカードセレクトなどのイオンカードを登録することで決済に使えます。iAEONではお気に入り店舗登録で、お得な情報やクーポンをゲットすることもできますので、イオンユーザーは必携のアプリです。

イオンカードセレクトは基本の還元率が0.5%ですが、イオングループの店舗で利用することで還元率が0.5%アップします。また、お客さまわくわくデー・ありが10デーといった特定の日に利用することでポイント還元が大きくなります。CMなどでも見かける「お客さま感謝デー」は買い物が5%オフになるので、生活費の削減の味方になります。

さらに、株主優待でもらえるオーナーズカードを買い物のときに提示すると、買い物額の3%~7%がキャッシュバックされます。また、イオン銀行で住宅ローンなどの対象ローンの借り入れをしている人が利用できる「イオンセレクトクラブ」も2023年3月に拡充。以前は5年間限定だった「買い物代金5%オフ」の特典が住宅ローン完済まで得られるようになっています。

経済圏をまとめることで、効率よく節約・貯蓄できる

経済圏内の複数のサービスをまとめることで、節約や貯蓄の効率がアップするサービスもあります。

前ページでも触れてきたとおり、PayPay・ドコモ・auの各経済圏には、通信費や電気代を各経済圏のクレジットカードで支払うことでポイント還元が得られるサービスがあります。特にゴールドカードは年会費が有料(3社とも1万1000円(税込))ながら、スマホ代・携帯代を支払うことで毎月10%・11%もの還元が受けられるものもあります。スマホ代の金額にもよりますが、十分に年会費の元が取れるでしょう。

また、お得な金利で預金できるサービスもあります。
たとえば楽天証券と楽天銀行の口座を連携する「マネーブリッジ」を利用すると、楽天銀行の普通預金金利が年0.02%から最大年0.1%と、5倍にアップします(預金300万円超の部分は年0.04%)。

また、イオン銀行の「イオン銀行Myステージ」は、イオン銀行で対象となる取引をすることで貯まる「イオン銀行スコア」に応じて特典を受けられるサービス。もっとも上の「プラチナステージ」であれば、イオン銀行の預金金利が年0.1%に上昇します。

さらに、auじぶん銀行の「auまとめて金利優遇」では、au PAY、au PAY カード、auカブコム証券をそれぞれ指定の方法でauじぶん銀行と連携することで、auじぶん銀行の金利が最大年0.2%に上昇します。

さらに、クレジットカードで投資信託の積立ができるサービスも。楽天証券の投資信託積立サービス「楽天カードクレジット決済」では、毎月の投資信託購入額の一部をポイント還元してもらえます。

2023年4月13日に楽天カード決済のポイント還元率の引き上げが発表され、2023年6月積立分からは
・楽天カード 0.2%→0.5%
・楽天ゴールドカード 0.2%→0.75%
・楽天プレミアムカード 0.2%→1.0%
となるとのこと。投資でお金を増やしながら、ポイントももらえます。

ポイントのための買い物には要注意

ただし、経済圏を利用する際に注意したいのは、ポイントを貯めるために買い物をしがちということ。ポイントが普段の2倍、5倍、10倍つくといって、不要なものを買った経験はありませんか? また、「あと◯円買ったら来月のポイント還元率が上がる」からと、月末に買い物をしたことはありませんか?これでは、せっかくのお得も「無駄遣い」になってしまいます。

あくまで普段と同じ買い物をその経済圏で済ませ、公共料金や毎月支払う費用を同じ経済圏にまとめるだけ…という具合に、無理のない形で経済圏を利用する仕組みを作り、ポイントを効率よく貯めていきましょう。

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