「徳川家康と大田原城」テーマに特別展示 那須与一伝承館 家康のエピソードや史料紹介

「徳川家康朱印状」(左手前)を紹介する学芸員

 【大田原】南金丸の市那須与一(なすのよいち)伝承館による特別展示会「徳川家康(とくがわいえやす)と大田原城」が同館で開かれている。「家康と栃木県」と言えば日光東照宮や小山評定が有名だが、あまり知られていない大田原と家康にまつわるエピソードや史料を紹介している。同館の重藤智彬(しげとうともあき)学芸員(31)は「展示を見て、歴史を感じながら町を歩いてほしい」と来館を呼びかけている。6月18日まで。 同館によると、戦国時代に築かれた大田原城は、豊臣秀吉(とよとみひでよし)や諸大名が滞在し、家康をはじめ江戸幕府からは関東と奥州の境目を守る要と認識されていた。

 特別展示会は、1591(天正19)年に家康が奥州に向かう途中で大田原を通過したと考えられるエピソードをはじめ、1600(慶長5)年に家康が会津の上杉景勝(うえすぎかげかつ)討伐のために、小山から大田原城に陣を移す予定だったことを記した史料などを紹介している。

 また、那須衆の福原資保(ふくわらすけやす)が年頭のお祝いで家康に太刀と馬を贈ったことに対する礼状「徳川家康朱印状」や、2代将軍秀忠(ひでただ)の書状も展示。そのほか、大田原城や城下町にまつわる史料も展示し、「大田原城図面」など計3点を初公開している。

 関連イベントとして、3~7日はNHK大河ドラマ「どうする家康」の主要キャストの等身大パネルを同館ロビーに展示するほか、6月4日には「徳川家康と大田原城」をテーマにした講演会を開催する。

 午前9時~午後5時(月曜休館)。入館料大人300円(中学生以下無料)。

 (問)同館0287.20.0220。

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