相撲部、カレー開発で遠征費捻出 大の里の母校海洋高、町おこしも

「ごっつぁんカレー」(能水商店提供)

 14日初日の大相撲夏場所(両国国技館)では、日本体育大出身で2年連続アマチュア横綱の大の里(22)=本名中村泰輝、石川県出身、二所ノ関部屋=が幕下10枚目格付け出しでデビューする。将来の横綱候補と注目を浴びる大器の母校、海洋高(新潟県糸魚川市)は既存の枠を超えた活動を展開。町おこしなど多くの成果が期待されている。

 水産高校の特色を生かし、イカやホタテ、エビをふんだんに使ったシーフードカレー。相撲部員が授業の一環で開発したレトルト商品は「ごっつぁんカレー」と名付けられ、2020年の販売開始から約10万食を売り上げ大人気だ。1食518円で、売り上げの3%が相撲部の活動資金として遠征費などに充てられている。

 学校がある能生地区は日本海に面した小さな漁村で、高齢化や過疎化の進行に悩まされている。二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の下に弟子入りした大の里が活躍すれば「ごっつぁんカレーの化粧まわしが出るかもしれない」との声が早くも出る。スピード出世で盛り上がれば、地域活性化へ何よりの発信力となりそうだ。

稽古に励む海洋高の相撲部員ら=4月5日、新潟県糸魚川市
師匠の二所ノ関親方(左)と記者会見する大の里=4月6日、新潟県糸魚川市の海洋高

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