選手権首位に立つトヨタのオジエ、次戦は6月のイタリアに。「チームの力になるために計画していた」

 TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)のからWRC世界ラリー選手権に参戦しているセバスチャン・オジエは、チーム3台目のトヨタGRヤリス・ラリー1のシートを勝田貴元とシェアし、フル参戦ではないにもかかわらず、2023年シーズンのチャンピオンシップにおいて第4戦終了時点でドライバーズランキング首位に立っている。

 そんなオジエだが、5月11~14日に開催される『ボーダフォン・ラリー・ポルトガル』は参加を見送り、次回は6月に行われる今季第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』に出場する予定であることがWRC.comによって確認された。これにより選手権タイトルを争うライバルたちは、第5戦ポルトガルでオジエの一歩先を行くことができる機会を得ることとなった。

 ラリー・イタリアは、オジエが過去4回の優勝経験を持つ実績のあるイベントだ。

 チームメイトのエルフィン・エバンスと並んで選手権首位に立っている男は、ポルトガルを欠場することでドライバーズランキングのポジションをいくつか落とし、緩いグラベル路面のイタリアでは先頭よりも有利な出走順でスタートできる可能性がある。しかしオジエによれば、次戦のターゲットをイタリアに定めたことは同ラリーの出走順のこととは無関係だという。

「これは長きにわたって計画されていたことだ」と語るオジエはこう続ける。

「日に日に、あるいは今決めているのではなく、今年の初めからすでに考えていたことなんだ」

「サルディニアは、昨年はチームにとって厳しいラリーだったから、彼らの力になろうと思って計画していた。クロアチアの結果を見て決めたのではなく、もっと以前から決めていたんだよ」

 8度にわたって世界チャンピオンとなったオジエは、前戦の『ラリー・クロアチア』でも力強い走りを見せ、一時はラリーをリードし、誰よりも多くのステージを制した。しかし、競技初日のSS2ではホイールを破損したことでタイヤ交換を強いられ、1分半ほどのタイムを失った。彼はこれによって5番手まで後退してしまった。

「僕の週末ではなかったね」とオジエはクロアチア戦を振り返る。

「でも、これもモータースポーツの一部なんだ」

「もちろん、僕たちにはもっとたくさん蓄積してきたものがある。次戦ではそれをどうにか活かさなければならないし、僕もイタリアではより良くしていくことを目指して戦うよ」

オジエは第4戦クロアチアではホイール破損によりタイヤを交換。約1分半のタイムロスでポジションを5番手まで落とした
第4戦クロアチアについて「僕の週末ではなかった」と語ったセバスチャン・オジエ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)

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