「復活上演」に大きな拍手 一関で岩手県南・宮城県北神楽大会

勇壮な舞で観客を魅了した南部神楽の演者

 第50回記念岩手県南・宮城県北神楽大会(実行委主催)は4月29日、一関市の厳美中体育館で4年ぶりに開かれた。過去10回大会で上位入賞を果たした南部神楽10団体が集い、勇壮な舞を披露。源平合戦など歴史上の名場面を演じ、約200人の観客が「復活上演」に大きな拍手を送った。

 同市の富沢神楽保存会(佐藤徹会長)は、屋島の戦いで源義経の命を受けた那須与一が、平家の小舟に掲げられた扇を射落とした「那須与一 扇の的射(う)ちの場」を上演。力強い太鼓や鐘の音が響く中、せりふを交えて与一の決意や緊迫した心情を再現した。

 与一が矢を放ち、扇がひらりと撃ち落とされると、会場からは大きな拍手。与一を演じた佐藤会長(73)は「絶対に絶やしてはいけない伝統。まだまだ技術を磨き続けて伝え続けたい」と誓った。

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