チャットGPTをはじめとする「生成AI」は規制すべき? 教育現場でも活用すべきなのか?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。4月14日(金)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、競争が激化する“生成AI”について議論しました。

◆世界で競争が激化する「生成AI」

「ChatGPT(チャットGPT)」で知られる"生成AI”に関して、アメリカのアマゾン・コムもサービスの提供を始めると発表しました。

利用する企業は、マーケティングに使う文章や広告イメージの作成などに使えるようになるということです。これは、米・マイクロソフトやグーグルに対抗する動きで、今後は生成AIを巡る競争のさらなる激化が予想されていますが、一方で個人情報の保護など課題も指摘されています。

国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんは、中国における生成AIについて言及。中国では「アリババ」や「百度(バイドゥ)」などの大企業がすでに参入しているものの、そこにはある問題が。

稀に中国共産党を非難するような文言をAIが生成してしまうことがあり、これに対して中国政府は敏感に反応し、先日、新たな指針を発表。それは生成AIが中国共産党を非難した場合、罰は企業に課するというもので、こうなるとさらなる問題も。

例えば、競争相手の企業が生成AIに質問して不適切な言葉を引き出し、それを通報すれば処罰の対象になる可能性があり、モーリーさんは「マッチポンプが成り立つ」と懸念します。

自身の専門領域の一部でもある工学博士の古田貴之さんは、生成AIに対し「みんないまさら何を騒いでいるんだというくらい、これは昔からある技術」と言い、「自分の生活を豊かにするように使えばいい」と生成AIのあり方を言及。

古田さん曰く、生成AIは研究者の間でも論文の要約、下書きなどに使っているそうですが、万能というわけではなく「できないことが2つある」と話します。

1つは、インターネット上から情報を取り寄せて、それらを組み合わせるため、生成された文章が盗用になっている可能性があること。2つ目は「未来のことがわからないと善悪がわからない」と古田さん。

生成された文章の良し悪しは最終的に人間の判断力に委ねられることから、古田さんは「より我々はクリエイティブな判断力を持った人間にならないといけない。だから、上手く使えば使ってもいいんじゃないか」と持論を述べます。

◆生成AIは規制すべき? 教育現場でも活用すべき?

Z世代の食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、生成AIが子どもたちをはじめ自分で判断ができない人に蔓延してしまうことを案じます。その問いに古田さんは、「アメリカなどでは生成AIを使ってはいけないという小学校も出ているが、いずれ使うもの。いずれ扱わないといけないものなので、何ができて何ができないのか、どう使えばいいのかなど早めにリテラシーを知っておいたほうがいいのではないか」と主張します。

ここで堀は古田さん、モーリーさん、長内さん、そしてキャスターの豊崎由里絵の4人に「生成AIは規制するべきか?」と質問を投げかけると、全員「すべきでない」。一方、「教育現場で使うべきか?」という問いかけには、古田さんと長内さんが「賛成」、モーリーさんと豊崎は「反対」と意見が分かれました。

豊崎は「使うべきとまでは思わない。私たちの世代も"論文を書くときにWikipediaを使ってはいけません”などと言われてきたので、そうした一定のルールに基づいて使っていくものになるんじゃないか」と推測します。

教育現場で「使うべき」とする古田さんは、例えば、生成AIはプログラムの作成を依頼すると正確なプログラムを書き、翻訳も正確にしてくれることを挙げ「(生成AIは)先生になってマンツーマンで指導を受けることができる」とメリットを語っていました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

© TOKYO MX