ラーメンついでに周遊を デジタル活用、実証実験 県と佐野市

「佐野ラーメン大全」のウェブページ

 【佐野】県は市、市観光協会と連携し、佐野らーめんを食べに訪れた人に、ネット上の地図を活用して市内周遊を促す実証実験を始めた。デジタル技術で地域課題の解決に取り組む県の事業「とちぎデジタルハブ」の一環。市内の佐野らーめん店が抱える「混雑による待ち時間の長さ」や「店舗情報の偏り」などの課題解決を図る。5月末まで実施予定。

 具体的には(1)混雑状況計測ツールを導入し、ウェブマップで可視化する(2)市内の佐野らーめん店の情報をまとめたウェブページ「佐野ラーメン大全」を制作する(3)店舗周辺の観光地情報をウェブマップに掲載する-の三つの取り組みを行う。IT企業バカン(東京都千代田区)が提供するマップ型混雑情報配信サービス「バカンマップス」を利用する。

 混雑状況計測ツールは20店舗が導入。店頭やオンラインで整理券を発行する行列管理システムやカメラで店頭の混雑を検知する技術を駆使して、リアルタイムの混雑状況を配信する。

 また「佐野ラーメン大全」では、市内91店舗の営業時間などのほか、提供しているラーメンのスープや味、麺などの特徴を細かく紹介。マップ上に各店舗の位置情報も表示される。

 これらの情報をマップ上で可視化するとともに、佐野厄よけ大師や佐野プレミアムアウトレットなど、周辺の観光施設27カ所の情報も見ることができる。

 さらに、ウェブ上に表示されるアンケートに答えると抽選で100人に「お土産佐野らーめん」をプレゼントするキャンペーンも5月7日まで実施する。

 県や市は、今回の実証実験で集めた混雑状況データやアンケートの結果を基に、サービスの実用化に向けて準備を進めていくとしている。県の担当者は「佐野らーめん店や周辺の観光に関する情報をウェブ上で一元的に発信することで、ラーメンを満喫しながら、新たな佐野の魅力発見につながれば」と期待している。

混雑状況や店舗情報、周辺観光施設を確認することができるウェブマップ

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