「また違う男の人を連れ回しているね」 セクハラ発言の京都府副知事を厳重注意

京都府庁

 ジェンダー問題などに取り組む団体代表の女性(25)が京都府の山下晃正副知事(71)からセクハラ発言を受けたとされる問題で、外部の調査委員会は2日、調査結果を公表した。発言の一部がセクハラに該当すると認定し、府に対し、山下副知事へ厳重注意を行う必要があると判断した。西脇隆俊知事は1日に山下副知事に厳重注意を行った。

 山本和奈さん=ドイツ在住=が昨年11月、スペインで開かれた国際見本市に参加した際、初対面の山下副知事からセクハラ発言を受けたとして、府に質問状を送付。府は同12月、弁護士や大学教授ら3人の調査委を設置し、関係者への聞き取りを行っていた。

 報告書によると、山下副知事の「また違う男の人を連れ回しているね」との発言をセクハラと認定。山本さんが府に質問状を送った後、副知事が3回、謝罪しようとして山本さんへ直接メールを送ったことにも「被害者保護の観点から極めて軽率で不適切な行為」とした。

 「僕のようなセクハラの塊みたいな者が府の男女共同参画の担当をしている」との発言は「直ちにセクハラに該当するとは認められない」としたが、「適切さを欠く」とした。その上で「特別職に準用される官吏懲戒令に定める懲戒処分が必要な事案とまでは認定できない」とし、厳重注意が必要と結論づけた。

 報道陣の取材に応じた山下副知事は「また違う男の人を連れ回しているね」との発言は「『頑張っているね』との意味だったが、男女の話を言う必要はなかった。メールを送ったのは軽率だった」と謝罪した。

 山本さんは同日、オンラインで記者会見を開き、「調査が行われたのは良かったが、処分がなかったのはどうなのか。セクハラへの問題意識が甘すぎる」と語った。

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