県高校総体前特集 バスケットボール女子(3) 個人力にフォーカスする中津北 【大分県】

4月にあった南九州四県対抗バスケットボール選手権(南九)の県予選で大分が優勝した。2021年のウインターカップ県予選から県内無敗は続く。県高校総体でも大分が優勝候補の筆頭だが、虎視眈々(たんたん)とタイトルを狙うライバル校も力を付けている。県高校総体を前に実力校の現在地を探った。

第3回は強豪校として復権を目指す中津北を紹介する。

■昨年度の主な成績■

県高校新人大会 ベスト4

ウインターカップ県予選 準優勝

県高校総体 準優勝

王者の座を明け渡し、2年間タイトルを取れていない。しかし、4強の座を死守しながら、着実に地盤を固めてきた。1対1のステップワークを磨き、外角からのシュート成功率を高め、強度の高い守備ができるように走り込んだ。大輪の花を咲かせるにはもう少し時間がかかるかもしれないが、4月の南九県予選では「(2月の)県新人大会から成長しているのが見えた。できることが増えたわけではないが、練習でやってきたことを出し切れた」(大津留礎監督)。

準決勝では優勝した大分に敗れたが、第1クオーター(Q)は21-21と互角の戦いを演じた。試合開始から伝統の2-2-1のオールコートゾーンプレスを発動して奇襲に成功した。現時点で、残り30分を同じ強度で戦える体力、シュート成功率を高く保てる集中力はないが、林田唯蘭(3年)は「1対1の積極性は表現できた」と手応えを口にした。

キレのあるドライブが武器の林田唯蘭

南九出場権を懸けた3位決定戦では、粘り強い守備で、得点力の高い大分商業をロースコアに持ち込んだ。第3Qで逆転されたが、最終の第4Qでギアアップ。守備から流れをつくり、速攻で次々と得点を重ね、最後は2点差で逆転勝利した。林田は「これまで、競った試合をものにできなかったので自信になる。課題はまだまだ多いが、一つずつ改善できればいい」と振り返った。

1対1にこだわり、まずは個人レベルを上げることを貫いた。大津留監督は「スクリーンプレーに頼らず、1対1で点を取り切ることができなければ何をしてもダメ。まずはそれぞれが力を付けて、そこから2人、3人、最後は5人がチームとして力を発揮できるようにならなければいけない」と、さらなる個人力の成長を期待する。新1年生が加わり、下からの突き上げがチーム内の競争力を高めている。質の高い個が集まった時にチームとしての戦いが始まる。県高校総体では、その一部が見られるかもしれない。

質の高い個の集団を目指す中津北

(柚野真也)

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