またアニサキス食中毒、福井県が多発注意報を発令 量販店のクルマダイ刺し身で男性症状

アニサキスの幼虫(資料写真)

 福井県は5月2日、鯖江市の量販店で購入した魚の刺し身を食べた70代男性が胃痛を訴え、食中毒と断定したと発表した。胃から魚介類に寄生するアニサキスが見つかった。県は同日、食中毒多発注意報を発令し、十分な対策を呼びかけている。

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 県丹南健康福祉センターは食品衛生法に基づき、この店の魚介類販売を2日の1日間、営業停止処分にした。

 県医薬食品・衛生課によると、男性は4月28日午後0時半ごろにクルマダイの刺し身を購入。同5時半ごろ自宅で食べ、同11時ごろ症状が出た。入院はしておらず、回復に向かっているという。

 県内の今年の食中毒は12件目で、うち10件はアニサキスが原因。アニサキスによる食中毒は4月28日にも判明しており、県は多発注意報を発令した。期間は15日までの2週間。

 県は消費者の注意点として▽新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く▽魚の内臓を生で食べない▽目視で確認してアニサキス幼虫を除去する―などを挙げ、事業者には冷凍(マイナス20度で24時間以上)や十分な加熱の徹底も呼びかけている。

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