福井県内の認定こども園で「不適切な保育」 特定の園児に大声やきつい言葉で注意

 福井県坂井市の民間の認定こども園で、ベテランの女性保育士1人が特定の園児に大声やきつい言葉で注意するなど、人格や人権への配慮に欠けた「不適切な保育」を行っていたことが5月2日、同市や福井県などへの取材で分かった。市と県は立ち入り検査を行い、文書で改善を指導した。園によると、保育士は3月末で退職した。

 市によると昨年11月下旬、保護者から「不適切な保育を受けている」という趣旨の相談を受けた。市は園の理事者や職員から聞き取りなどを行った後、同年12月下旬、県と合同で立ち入り検査を実施した。

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 検査の結果、▽園児に対し継続的に大声やきつい言葉で注意する▽園児の特性を他の園児や職員に聞こえるように話す―など、精神的苦痛を与える恐れがあり、人格や人権への配慮に欠けた言動があったと認定。市と県は2月1日付で文書による指導を行った。不適切な保育が継続されていたにもかかわらず、改善に取り組む体制が不十分とも指摘した。

 市によると、故意とは確認できないものの、給食を食べるのが遅い複数の園児に対し、厳しい口調でせかす言動が見受けられたという。

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