名手オリベイラがGT300初ポール。2戦目のLC500が0.062秒差の2番手に続く【第2戦GT300予選レポート】

 5月3日、2023年スーパーGT第2戦FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE』の公式予選が静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT300クラスはリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平)がポールポジションを獲得した。

 早くもシーズン2戦目を迎えた2023年のスーパーGT。ゴールデンウイークおなじみのレースは今回も霊峰富士の麓にある富士スピードウェイを舞台に、国内外さまざまなレーシングマシン26台がしのぎを削るGT300クラスの予選が幕を開けた。

■Q1A組:PONOS GT-Rの大草りきが最後にトップを奪う

 スーパーGT第2戦の公式予選は、当初のスケジュールどおりの15時15分から10分間のGT300A組からスタート。開始時は気温20度、路面温度32度、湿度54%というコンディションのなか、コースオープンと同時に全13台のマシンがピットを離れる。

 コースイン後は各車1分40秒台でウォームアップを行っていく。そんななか残り3分というところでHACHI-ICHI GR Supra GTの三宅淳詞が1分36秒744のターゲットタイムを記録すると、その他のマシンも続々とタイムを上げてくる。

 まずは埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹が1分36秒520で三宅を上回ると、DOBOT Audi R8 LMSの片山義章、PONOS GAINER GT-Rの大草りき、Bamboo Airways ランボルギーニ GT3の坂口夏月が吉田のタイムを更新する。

 その後もアタック合戦は続き、まずHOPPY Schatz GR Supra GTの菅波冬悟が1分36秒185で4番手に飛び込むと、初音ミクAMGの片岡が2度目のアタックでタイムを上げ、1分35秒921で2番手に順位を上げてくる。さらに最終アタックでPONOS GAINER GT-Rの大草が1分35秒697というトップタイムを記録してQ1A組はチェッカーとなった。

 最終的にQ1A組はHACHI-ICHI GR Supra GT、シェイドレーシング GR86 GT、apr GR86 GT、RUNUP RIVAUX GT-R、植毛ケーズフロンティア GT-Rの5台が敗退となっている。

2023スーパーGT第2戦富士 PONOS GAINER GT-R(安田裕信/大草りき)

■Q1B組:SUBARU BRZ R&D SPORTがまさかの敗退

 Q1A組に続いてQ1B組は15時33分から定刻どおり開始された。こちらも出走する各車はコースオープンと同時にピットを離れるが、Studie BMW M4は少しのステイを挟んだ後、その他の12台がコースインした後に荒聖治がピットを後にした。そして今季からの新マシンであるapr LC500h GTは第3ドライバーの根本悠生がアタッカーを務める。

 B組もA組同様に各マシン1分40〜42秒台でウォームアップを進めていく。そんななか最初のアタッカーとなったのはGAINER TANAX GT-Rの富田竜一郎がいきなり1分35秒538でターゲットとなるトップタイムを記録する。

 富田のアタックをきっかけに各車ともタイムを上げ、apr LC500h GTの根本が1分35秒950で2番手に入ると、LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥が3番手に続く。さらにSyntium LMcorsa GR Supra GTの河野駿佑、K-tunes RC F GT3の高木真一がともにタイムを更新して2番手に上がる。

 トップタイム更新合戦も激しく、JLOC ランボルギーニ GT3の元嶋佑弥が1分35秒538でまず首位に立つも、それに続いたmuta Racing GR86 GTの平良響が1分35秒512というタイムでトップに立つとB組はチェッカーを迎えた。

 各マシンともラストアタックでタイムを縮めるために走行を行い、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rの名取鉄平が3番手にポジションアップを果たす。しかし同じく最後のアタックでタイムアップを狙ったSUBARU BRZ R&D SPORTはタイムを伸ばすことができず10番手に終わることに。

 結局B組はANEST IWATA Racing RC F GT3、SUBARU BRZ R&D SPORT、Studie BMW M4、Yogibo NSX GT3、アールキューズ AMG GT3が敗退となっている。

2023スーパーGT第2戦富士 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

■Q2:王者オリベイラがGT300初ポール。LC500、初音ミクが続く

 GT500クラスのQ1終了後、GT300クラスはQ1を突破した16台で争われる10分間のQ2セッションが16時08分から開始となった。シグナルグリーンと同時に各マシンがコースに出ていくも、DOBOT Audi R8 LMSはステイを選択、先にコースに出ていったマシンが1周を終えようとするタイミングでコースに出ていった。

 これまでのGT300クラス予選2セッションと同様に、このQ2でも各マシン1分40〜42秒台でウォームアップラップを行っていくが、残り3分を切ったところでLEON PYRAMID AMGの篠原拓朗がアタックに入り1分35秒576でトップタイムを記録してくる。

 その後は同じくブリヂストンタイヤを装着するmuta Racing GR86 GTの堤優威が1分35秒286、埼玉トヨペットGB GR Supra GTの川合孝汰が1分35秒279でトップタイムを更新していく。その他のマシンもK-tunes RC F GT3の新田守男が3番手、JLOC ランボルギーニ GT3の小暮卓史が上位に顔を出してくる。

 そんななか、昨年度王者のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがステアリングを握るリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rがセクター1〜3で好タイムを記録してくると、コントロールラインを通過したブルーのGT-Rが記録したタイムは1分35秒114となり、このタイムを上回るマシンは現れずQ2は終了。オリベイラがGT300初ポールポジションを獲得する結果になった。

 2番手には0.062秒差の僅差でapr LC500h GTが続き、3番手には最後のアタックで谷口信輝がセクター3全体ベストを記録したグッドスマイル 初音ミク AMG。4番手以下は埼玉トヨペットGB GR Supra GT、muta Racing GR86 GT、JLOC ランボルギーニ GT3、GAINER TANAX GT-R、LEON PYRAMID AMG、K-tunes RC F GT3がトップ10となっている。

 GT300クラス26台が優勝を目指して戦う長丁場の450kmレースは5月4日13時30分にスタートが切られる予定だ。

2023スーパーGT第2戦富士 GT300ポールポジションを喜ぶジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平(リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)
2023スーパーGT第2戦富士 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)

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