5月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われたスーパーGT第2戦富士の公式予選では、グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝／片岡龍也組がGT300クラスの3番手を獲得した。GOODSMILE RACING & Team UKYOとしては、富士は2022年の第4戦でトップを快走した舞台。今回も上位進出を狙っていたが、午前の公式練習では苦戦していた。そんななかでの3番手だけに、チームは谷口のアタックで大きな盛り上がりをみせた。
今季も谷口と片岡のコンビで参戦するグッドスマイル 初音ミク AMGにとって、富士は参加条件の面でも「狙っていた」レース。ただ、午前に行われた公式予選の走り出しでは、セットアップに苦戦した。
「走り出しはあまり調子が良くなくて、ずっとセットアップをし続けて、サーキットサファリあたりでやっと良くなってきたかな……という感じでした」というのは片岡。
もともと今回の予選では、Q1を片岡が担当する予定だったが、公式練習で取り組んできたセットアップが「仕上がってきた感じが予選で出た」とフィーリングが好転。Q1のA組で1分35秒921をマークし、2番手でQ2進出を果たした。
Q2に向けて、片岡は「いい感じですよ」と谷口に伝え、そのフィードバックからさらに調整。谷口は片岡の車載映像を観てからQ2に臨んだ。ピットで見守っていた片岡は、「セクター2までは『6〜7番手くらいかな？』と思っていた」というが、セクター3で谷口は全体ベストをマーク。一気に1分35秒277までタイムを縮め、3番手まで躍り出てみせた。
「『おお〜！』とすごく盛り上がりましたよ。もともと谷口さんはセクター3が速いんです」と片岡。
ただ、その谷口にセクター3の速さについて聞くと「近道があるんだよ（笑）」と冗談めかしつつ、「オレのなかで別にセクター3だけ手ごたえが良かったとも思っていない。とにかくQ1の片岡のタイムは抜かなきゃと必死だったから」と特に秘訣があるわけではないという。
「うまくまとめられて3番手だったのは嬉しいけど、下りてみたらトップまであとちょっとだったじゃない。『ここまで来たら何かなかったのかな』と思っちゃうよね」
迎える5月4日の決勝に向けては、「分からない。レースって分からないからね」と谷口は語った。ただ、展開については読めないという。
「自信もないけど、なくもないんじゃない？ って感じ。逆に、富士しかまわりと勝負できるところはないから。そりゃあ獲りたいよ」
今回も多くのファンがスタンドに詰めかけ、後押しするグッドスマイル 初音ミク AMG。そんなファンの期待に応える決勝レースとなるだろうか？ 谷口が言うとおり展開は読めないが、そういったレースを勝ち抜く力こそGOODSMILE RACING & Team UKYOの強みのはずだ。
