キャンプ場、今季も好調 富山県内、遠方客戻ってきた

キャンプを楽しむ家族連れ=南砺市閑乗寺公園キャンプ場

  ●PR、外国人対応強化

 大型連休を迎えた富山県内のキャンプ場が今季も予約好調となっている。新型コロナウイルス下でも「密」の回避とアウトドアブームに乗り人気を維持してきたが、今年はさらに遠方の県外客を取り戻したキャンプ場もある。「コロナ明け」の旅行需要の復活で利用客の県外流出を懸念する各施設は夏を見据え、県民向けのPRや訪日外国人対応などの強化策を模索する。

 南砺市井波地域の八乙女山の麓に位置する閑乗寺公園キャンプ場。大自然に囲まれた園内には砺波平野が一望できる広場や大型遊具などがあり、同地域中心部から車で5分のアクセスも良く、家族連れらに人気のスポットとなっている。

 「右肩上がりの利用客を減らすわけにはいかない。今後は外国人客も取り込んでいきたい」。キャンプ場の指定管理者である閑乗寺観光開発(同市)の楠則夫社長は次のステージを見据えて言葉に力を込めた。

  ●GW「予約で埋まる」

 同キャンプ場はテントのオートサイト48区画、フリーサイト50区画、コテージ6棟を備える。アウトドアブームを追い風に、利用客は8年連続で増加中。今年の大型連休中の予約は3~6日を中心に、コロナ下と同じくいっぱい。県外客は近隣だけでなく、大阪や東京からも戻ってきた。

  ●コロナ明け旅行需要で流出心配

 現在の不安は「旅行の選択肢が広がり、利用客が減る可能性だ。一生懸命取り込まなければならない」と楠社長。真宗大谷派井波別院瑞泉寺の門前町として栄えた「信仰と木彫りの里」の同地域は、訪日観光客が増えており、同社は新たな宿泊地に選んでもらうため、英語版のホームページ開設を検討していく。

 立山山麓家族旅行村(富山市)はコロナ下と比べても早い段階から予約が入り、テントサイト48区画、コテージ20棟がほぼ埋まった。今年の大型連休は利用客数が流行前に届く見込み。

 バーベキュー場にも動きがあり、コロナ下でいなかった高校の団体利用が復活するなど、キャンプ場全体の見通しが明るい。吉田周司村長は「あとは好天続きを願うだけだ。課題は県内より県外客が多いこと。夏に向けてSNSでPRを図っていきたい」と気を引き締める。

 昨年7月開業のグランピング施設「WHARF&CO.(ワーフアンドコ)」(氷見市)では3月以降、愛知や東京、大阪などの利用客が増えている。連休中もほぼ空きがなく、担当者は「初めてのゴールデンウイークで状況が読めなかったが、予約で埋まって良かった」と胸をなで下ろす。

 「星と水と緑のシンフォニー」をうたう割山森林公園「天湖森」(富山市)もテント、コテージの空きがほぼない。連休明けから新規ファンの獲得に向け、グランピングや、サウナ設備の導入を進めていく。

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