「よいやさ」の声響く 富山県南砺市で祭り、華みこし4年ぶり

「よいやさ」のかけ声とともに大みこしを担ぐ男衆=南砺市井波

 富山県南砺市の井波八幡宮の春季例大祭に合わせた「よいやさ祭り」が3日、同市井波地域中心部で開かれ、「よいやさ」のかけ声とともにみこしが練り回った。女性が担ぐみこし「華みこし」が4年ぶりに復活したほか、児童が日本舞踊を披露する踊り屋体もあり、祭りを華やかに彩った。

 2基の大みこしと3基の子どもみこしが、午前9時に八日町通りを出発し、約10キロを巡行した。

 「華みこし」は、女性の力で祭りを盛り上げようと担ぎ手を募集。県内外から集まった約40人が威勢の良いかけ声とともに町を練り歩いた。富山市から参加した打楽器奏者、野替亜紀子さん(45)は「思ったよりも重くて大変だけど、みんなで担ぐと一体感がある」と汗をぬぐった。

 地元の女子児童4人による日本舞踊の踊り屋体も巡行し、みやびな踊りで見物客を楽しませた。

 踊り屋体は踊り子や世話人の減少で2009年にいったん途絶えたが、井波日本遺産推進協議会(三谷直樹会長)が19年に復活させた。今年は29カ所を回った。田中幹夫市長ら招待客にも披露し、4人があでやかに踊り終えると大きな拍手が起こった。

 祭りは江戸後期の1833(天保4)年に始まったとされ、2020、21年は新型コロナ感染拡大の影響で中止。昨年3年ぶりに実施した。

4年ぶりに復活した「華みこし」を担ぐ女性たち=南砺市井波

© 株式会社北日本新聞社