新スタジアム建設を目指すファジアーノ岡山、木村正明オーナーの「想い」が胸を打つ

昨季、明治安田生命J2リーグで3位に入ったファジアーノ岡山。

J1参入プレーオフで惜しくも敗れたが、J2の3位はクラブ史上最高成績。改めてJ1への想いを強くしたことは間違いない。

そんな彼らのホーム、シティライトスタジアムこと岡山県総合グラウンド陸上競技場は、1962年の第17回国体に向けて1957年に建設された。

その後、2005年の第60回国体のため全面改修されたものの設計自体が古く、メインスタンド以外に屋根がないなどJリーグのスタジアム規格を満たしていない。今後、サッカー専用スタジアムがJ1昇格の条件になる可能性もあり、そうなると成績面で条件を満たしても昇格が難しくなってしまう。

そこで、ファジアーノ岡山は新スタジアム建設に向けた動きを強めている。中心に立つのは同クラブのオーナー、木村正明氏だ。KSB瀬戸内海放送が特集で伝えている。

木村氏はファジアーノ岡山を運営する「ファジアーノ岡山スポーツクラブ」の前代表取締役。

東京大学からゴールドマンサックスへ入社し、執行役員まで勤めながら、当時まだ地域リーグを戦っていた岡山のサッカークラブへ転身。現在のファジアーノ岡山を一から作り上げたと言える人物だ。

能力の高さを買われ、前Jリーグチェアマン村井満氏のオファーにより2018年2月からJリーグの専務理事を務めていたものの、昨年3月に任期を終えて退任。再びファジアーノ岡山へ戻り、オーナー(筆頭株主)となった。

2010年には約28万人の署名を集め、専用練習場となる政田サッカー場の整備につなげた木村氏。

それから10年以上が経ち、クラブのJ1昇格がまさに現実的な目標となった今だからこそ、「新スタジアムを」という気持ちは強く抱いているのは彼だけではないだろう。

「極端な話ではなく、県民一人ひとりの皆さんと会話をしていかないと。練習場を作った時もそんな感じでした」と“プロセス”について語った木村氏は最後、自らの想いを明かしている。

「4年間、コロナもありましたが、日本サッカーのために十二分に尽くした思いは持っています。ただやっぱり、われらのファジアーノ岡山がそういう舞台に立つことがないと、自分の中の何かが満たされないんですよね。タイトルを取る瞬間を見たいというのが一番の想いです」

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新スタジアムに向けた動きも気になるファジアーノ岡山は今週末、7日(日)にFC町田ゼルビアとアウェイで対戦する。

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