地方議会の委員会、デジタル化を 推進へ都道府県議会議長会が報告書 議員のなり手不足解消

報告書を踏まえて地方議会のデジタル化の必要性を説く河村座長=27日、東京都千代田区の都道府県会館

 全国都道府県議会議長会は、委員会のオンライン開催など地方議会のデジタル化推進を促す報告書を公表した。DC(デジタルコミュニケーション=パソコンなどを通じた交流)を通して住民と議会の距離を縮めることで、統一地方選で浮き彫りになった議員のなり手不足の解消や、新型コロナウイルスなど大規模感染症下での意見交換機会の確保などにつながるとした。

 報告書は同議長会のデジタル化専門委員会がまとめ、座長の河村和徳東北大大学院准教授が4月27日に都内で発表した。

 報告書では「若年層を中心に情報入手をデジタルに頼る住民が増えた」とし、委員会審議などの積極発信を提案する。加えて審議自体のデジタル化も促進することで、育児や介護といった課題や身体障害などがあっても政治参加が容易になる環境の整備を提唱。多様な人材の政治参画につなげる方針を盛り込んだ。

 同委の調査によると、委員会のオンライン開催は16都府県議会で実施。いずれも「コロナ禍など感染症まん延への対応」を導入の背景としているが、震災での体験などを踏まえて秋田、兵庫など13府県が「大規模災害発生」、大阪など3府県が「育児や介護」も理由として挙げている。

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