買って良かったUL(ウルトラライト)ギア4選!今年は身軽にULキャンプデビューしませんか?

自分の足を使って移動するバックパックキャンプ。肩が痛くなったり、目的地につくまでに疲れてしまったことはありませんか?それは荷物が重すぎるからかもしれません。今回は、筆者がUL(ウルトラライト)キャンプをめざして、キャンプでよく使う4つのギアの軽量化に挑戦。どういった点にこだわって購入し、どんな結果となったかをレポートします。ギア選びの参考になれば嬉しいです。

UL(ウルトラライト)キャンプとは?

筆者撮影:この日の荷物は食料や水を除いて8kgでした。

UL(ウルトラライト)は、日本語に直訳すると「超軽量」という意味で、アメリカのハイキングカルチャーが出発点といわれています。

ULキャンプは軽くてコンパクトな装備で、身軽にキャンプを楽しむスタイル。

いったい、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

ULキャンプのメリット

装備を軽くして得られるULキャンプのメリットは

  • 荷物が軽くコンパクトになるので体にかかる負担が減る
  • 身軽に動き回れるので、行動範囲が広がる
  • 持ち物がシンプルになるので設営・撤収が早くなる
  • 自然をより身近に感じられる

ULキャンプのデメリット

ULを追求するあまり、荷物を減らしすぎると以下のようなデメリットも。

  • 寒くて寝られないなど、キャンプライフの快適性が下がる
  • キャンプ地で何もすることがなく退屈する
  • いざというときに必要なものがなかったり、ケガの手当が十分にできないことがある

ULキャンプはやみくもにギアを軽くしたり、減らしたりしても意味がありません。

自分はどんなキャンプをしたいのかをイメージしたり、ギアのスペックをよく調べて、安全・快適に過ごすための工夫が必要です。

ULキャンプギアの選び方

それでは、ULキャンプをするためのギア選びはどのようにすればいいでしょうか。

手順を簡単に紹介します。

1. 自分のキャンプギアの重さを調べる

筆者撮影:計量はキッチンスケールなどでOK。

重量は、商品情報から調べることもできますが、付属品や収納ケースなどの重さが省かれている場合もあるので、なるべく実際に持っていくギアの重さを量りましょう。

2. リストを作って現状把握

せっかく重さを量っても、忘れてしまっては意味がありません。

手間はかかりますが、リストを作るのがおすすめです。

重量のほか、同じようなギアをいくつも持っていることがわかるのでさらなる軽量化に役立ちます。

リストには、分類(用途)、商品名、重量、重量合計欄を作ります。

以下は分類の例です。

<必需品>

  • テント
  • 寝具
  • 調理道具
  • 着替え
  • エマージェンシーキット
  • バックパック

<必要に応じて>

  • カメラ関係
  • 焚き火関係
  • 趣味のもの
  • その他
筆者作成:持ち物リスト抜粋、重量は実測値。持っていくものはすべて計量するのがおすすめです。

ダイエットと同じで、結果が見えると嬉しいものです。

空き時間を使って少しずつ計量していきましょう。

▼タニタ「クッキングスケール」

3. 実際にパッキングして計量する

ギアは重たいもの、大きなものから切り替えていくと結果を出しやすくなります。

まず、キャンプで使いそうなギアを選んでバックパックに入れて、バックパック全体の重量を量ります。

水・食料・燃料をのぞいたバックパック全体の重量をベースウエイトといいます。

筆者の場合、ベースウエイトは15kgでした。

そのうち、キャンプで必ず使うものをピックアップし重量を調べると

  • 泊まるためのギア:テント 2200g(付属品込み)
  • 寝るためのギア:寝袋(冬用) 1020g
  • 寝心地をよくするためのギア:スリーピングマット 480g
  • 運ぶためのギア:バックパック 1300g

なんと、これだけで合計すると5kgもありました。

さて、いったいどれくらい減らせるでしょう?

以下は、筆者が軽量化のために購入し直したULギアと、それぞれの重量の比較です。

ギア選びでどれほど重さに違いが出るのか、軽量キャンプを目指したいという方はぜひ参考にしてみてくださいね。

【ULキャンプギア1:テント】3F UL GEAR 『LANSHAN 1 PRO』

筆者撮影:3F UL GEAR『LANSHAN 1 PRO』 フロアは五角形で荷物を置いても寝るスペースが確保できる。

まず、テントは中国製のワンポールテント、3F UL GEAR(スリーエフ ユーエル ギア) 『LANSHAN (ランシャン)1 PRO』を購入。

現物はなかなか確認できないので、納得がいくまで国内外のレビューを徹底的にリサーチ。

なんといっても、コスパが良かったので購入しました。

▼3F UL GEAR「LANSHAN 1 PRO』

おすすめポイント

  • 価格が手ごろ(購入時は海外通販サイトで約18,000円)
  • セミシングルウォールなので組み立てがラク。
  • 開口部はメッシュがついているので虫が入らない
  • バスタブ式で雨でも浸水しない
  • 狭いながら前室があるので靴などを置ける
  • 収納ケースは圧縮袋になっていてコンパクトになる
  • 他の人とかぶらないので、遠くからでもすぐわかる

注意点

  • バスタブフロアの立ち上がり部分をつなぐメッシュから跳ね返った雨が入ることがある
  • シームシーリング(テント縫い目の防水加工)は自分で行う
  • 非自立式なのでペグが抜けたり、ガイロープがはずれるとつぶれる
  • ポールは付属していないので自分でトレッキングポールや125cmの長さのポールを用意する

1350gの減量!

筆者撮影:ニーモ『DAGGER STORM(ダガーストーム) 3P』は夫婦2人でキャンプするときに大活躍。

BEFORE

  • NEMO(ニーモ)『DAGGER STORM 3P(ダガーストーム)』
  • 重量:2200g

AFTER

  • 3F UL GEAR『LANSHAN 1 pro』
  • 重量:850g

※重量=本体+その他パーツ(ペグ、ガイライン、ポール、グランドシート、収納袋)

【ULキャンプギア2:寝袋】cumulus『X-LITE 400』

筆者撮影:身長にあわせて小さいサイズを選びダウンを増量、暖かそうな色の生地をチョイス。

寝袋は重くなりがちな冬用がターゲット。

筆者は「cumulus(キュムラス)」というポーランドメーカーの『X-LITE 400(エックスライト)』をカスタムオーダーしました。

身長が低いので既製品では足先があまってしまうのが悩みの種でしたが、XSサイズがあったのでちょうどよくおさまりました。

そして、ダウン量を標準から110g増やした結果、下限温度表示はマイナス9℃となりました。

▼キュムラス『X-LITE400』

おすすめポイント

  • ポーランド産グースダウン900FPと高品質
  • サイズが5種類から選べる
  • 羽毛量、生地、ジッパーの長さなどをカスタムオーダーできる
  • 撥水性の高いダウンや生地が選べる
  • コンパクトに収納できる

注意点

  • 公式サイトは英語
  • 円安になると高くなる
  • 関税がかかる
  • 現品が到着するまで約1か月かかる
  • 個人輸入となるため自己責任

265gの減量!

筆者撮影:イスカ『エア630EX』。冬用寝袋はバックパックの大部分を占めるのが悩みの種。

BEFORE

  • イスカ『エア630EX』
  • 重量:1020g(公表値)

AFTER

  • キュムラス『X-LITE400』
  • 重量:755g(カスタムオーダー)

【ULキャンプギア3:マット】サーマレスト『NeoAir XLite WR』

筆者撮影:NeoAir XLite WRはR値が高いので冬も使える。

キャンプにおいて睡眠の質は重要です。筆者は腰痛予防と防寒のためエアマットにしました。

選んだのは、サーマレスト『NeoAir XLite WR(ネオエアーエックスライト)』。

バックパックに外付けしないので、混んだ電車の中で人にぶつける心配がありません。

▼サーマレスト『NeoAir XLite WR』

おすすめポイント

  • WR(女性用レギュラー)は断熱性が高く(R値5.4)冬でも使える
  • 地面の凸凹の影響を受けにくい
  • 外付けせずにバックパックに収納できる
  • ポンプサックがついているので、口で空気を入れなくてもよい

注意点

  • 空気を入れたり抜いたりする手間がかかる
  • 穴が開くと空気が抜け、補修が必要になる

80gの減量!

筆者撮影:折りたたみ式のマットはすぐに広げられて便利ですが、バックパック外付けとなり満員電車では運びにくいことも。

BEFORE

  • モザンビーク『アルミナムフォーム』
  • 重量:500g(収納袋込み)

AFTER

  • サーマレスト『NeoAir XLite WR』
  • 重量:420g(収納袋、ポンプサック込み)

【ULキャンプギア4:バックパック】Trail Bum『STEADY S [for Women]』

筆者撮影:本体容量は約38L。形よくパッキングすれば、列車座席の足元にも置けます。

キャンプをするには必ず荷物を運ばなくてはなりません。

とくに、キャンプの場合は生活時間が長く荷物が増えがちなので『耐荷重」は要チェック。

バックパックに合わせて、ギアを厳選して全体を軽くしていく必要があります。

耐荷重を大きく上回ると肩への食い込みがきつく辛い思いをしたり、バックパック自体が破損するおそれもあるので気をつけましょう。

▼トレイルバム『STEADY for Women』

おすすめポイント

  • 女性の体型にあわせた設計
  • ウエストハーネス、チェストストラップがついていて背負ったときに安定する
  • 標準装備の背面パッドは取り出してマットとしても使える
  • 背面パッドをはずせば、さらに軽量化できる
  • 上部のロールトップを広げると容量を拡張できる
  • メッシュポケットやサイドポケットにたっぷり荷物が入る
  • 生地は引っ張りや摩擦に強い
  • 形がシンプルなので街の中でも使いやすい

注意点

  • 荷物の詰め込みすぎに注意!どんなに多くても12~13kgまで、10kg以内を目標に
  • 背中に密着するので、夏は汗がたまることがある

795gの減量!

筆者撮影:グレゴリー『JADE38』は登山用で耐荷重は16kg。

BEFORE

  • グレゴリー『JADE(ジェイド) 38』
  • 重量:1300g

AFTER

  • トレイルバム『Steady for Women』
  • 重量:505g

※レインカバーなし

合計で約2.5kgの減量に成功!

筆者撮影

以上、キャンプでよく使う4点のギアを見直した結果、2,490g(約2.5kg)の減量に成功しました。

500mLのペットボトル飲料に換算して、約5本分減量できたと思うと気分も軽くなります。

さらに

  • 持っていってもあまり使わないギアを省く
  • 予備で多めに準備していたものを減らす
  • その他のギアを軽量・コンパクトにする

といった作業を繰り返し、ベースウエイトは15kgから8kgに減らすことができました。

寝袋を冬用から夏用に切り替えれば、さらに軽くなります。

軽量ギアを活用して身軽にULキャンプを楽しもう

今回は基本的なキャンプギア軽量化の具体例について紹介しました。

一度にULギアがそろわなくても、買い替えや荷造りのときに「重さ」のことを意識したり、「使い方」を工夫してギアの数を減らすだけでもULキャンプに近づきます。

持ち物を見直すことで自分のキャンプスタイルと向き合うよい機会にもなります。

自分なりのアイディアで身軽に、自由に、安全にULキャンプを楽しんでくださいね。

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