分散投資のキホンと注意点、ポートフォリオの見直しはなぜ必要?

多くの方にとって、お金の悩みは大きなストレスとなりますが、投資を通じて資産を増やすことができれば、その悩みを軽減することができます。投資を学ぶことで、人生の選択肢が増え、自分の人生をより豊かにすることが可能です。

ただ、投資では気をつけなければいけない事がたくさんあります。特に長期投資で意識すべき重要なことの一つに、ポートフォリオの構築があります。ポートフォリオを構築する際に分散投資をすることが大切ですが、分散投資について理解していますか?

今回は分散投資について解説します。


分散投資とは

「卵は1つのカゴに盛るな」という相場格言があります。これは、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、1つのカゴを落として卵が割れてしまっても、他のカゴの卵は影響を受けずに済む、という話ですが、投資においては、特定の商品だけに投資をすると、その商品が下落するとリスクが高いけれど、複数の商品に分けて投資をすればリスクが分散できる、ということです。

分散投資には「地域」と「商品」を分けることです。商品は株式投資のほか、債券や実物資産などがありますし、株式に投資する場合でも、国や業種を多様化した方がいいというのが分散投資の考え方です。投資する地域や銘柄を分けることで、リスクを分散させることができ、安定した収益を目指すことが可能です。このポイントを理解することが、投資成功への鍵となります。

投資を行う際には、リスクとリターンのバランスを考慮することが重要です。一般的に、リスクが高いほどリターンも高くなる傾向がありますが、その反面、損失の可能性も高まります。分散投資を通じてリスクを適切にコントロールし、リターンを最大化することが目標です。

地域分散

まずは、地域分散について考えていきましょう。

地域分散投資は、株式投資において異なる地域の企業や市場に投資することで、リスクを分散させる戦略です。地域分散投資のメリットは以下の通りです。

(1)リスクの低減
地域分散投資によって、特定の国や地域に偏ったリスクを回避し、全体的な投資リスクを低減できます。これにより、一部の地域で経済的な問題が発生しても、ポートフォリオ全体の損失が抑えられます。

(2)経済の周期性を利用
各国や地域はそれぞれ異なる経済サイクルにあるため、地域分散投資を行うことで成長が鈍化している地域から収益を上げる可能性がある地域へ投資することができます。

(3)通貨リスクの緩和
異なる通貨で投資することで、一定の通貨リスクを緩和できます。通貨リスクは、為替相場の変動によって投資リターンが影響を受けるリスクです。地域分散投資により、通貨リスクが相殺される可能性があります。

(4)新興市場へのアクセス
地域分散投資によって、新興市場への投資もできるようになります。新興市場は、成長が早く投資リターンが高い可能性がある一方、リスクも高いため、地域分散投資によってそのリスクを緩和することができます。

銘柄分散

次に銘柄分散についてです。株式投資において、リスクを分散させるために、複数の異なる企業の株式に投資することを指します。

銘柄分散の目的は、個々の企業の株価変動や経営リスクが投資ポートフォリオ全体に与える影響を緩和し、全体的なリスクを減らすことです。

銘柄分散の重要性は、以下があります。

(1)リスクの緩和
企業にはそれぞれ独自の経営リスクや業界動向があります。銘柄分散により、特定の企業や業界の変動による損失リスクを軽減できます。

(2)収益の安定化
銘柄分散は、異なる企業や業界の株価変動の相関関係が低いことを利用して、投資ポートフォリオの収益の安定化を図ることができます。

分散投資の手法

実際に分散投資のやり方としては、以下のような手法があります。

(1)業界別投資
異なる業界に属する企業の株式に投資することで、特定の業界の影響を受けにくくなります。例えば、金融業界、テクノロジー業界、消費財業界、医療業界など、さまざまな業界から銘柄を選んで投資しましょう。

(2)地域別投資
国内外の異なる地域に拠点を持つ企業に投資することで、地域特有のリスクを分散させます。

(3)市場資本規模別投資
大型株、中型株、小型株など、市場資本規模が異なる企業に投資することで、市場環境に応じたリスク分散が可能です。

(4)投資スタイル別
成長株、配当株、バリュー株など、投資スタイルが異なる企業に投資することで、投資戦略の多様化が図られます。

分散投資の注意点

ただし、分散投資をするということは、何銘柄も保有する資金が必要という面があります。日本株は100株単位が買うときの基本の単位(1単元)となっていますが、いまは証券会社によっては1株単位で取引できるサービスを提供しているところも多いので活用してみてください。

また、簡単に分散投資する方法として、投資初心者には、インデックスファンドやETF(上場投資信託)の活用もおすすめです。これらの商品は、特定の市場指数に連動したパフォーマンスを追求するため、分散投資が容易になります。手数料が低いことも魅力の一つです。また全世界型や、アメリカやインドなど各国に投資できるETFや投資信託、セクター別のETFなども活用すると分散投資がしやすいのではないでしょうか。

投資を始めたら、定期的にポートフォリオの見直しを行いましょう。市場環境の変化や自身のライフステージに応じて、投資戦略を調整することが重要です。

また、リバランスを行い、ポートフォリオのバランスを維持することも大切です。その際にも分散投資の考え方は役に立つと考えます。


分散投資により、投資初心者も安定した収益を目指すことができます。ポートフォリオの構築や適切なリスク管理を行い、長期的な視点で投資を行うことで、お金の安心を図りたいという欲求が芽生えるでしょう。

投資は人生において大きなインパクトを与える可能性がありますので、ぜひ挑戦してみましょう。

余談ですが、分散投資のなかでもう一つ、時間分散というのがあります。積み立て投資は時間分散を使ういい例ですが、時間分散を活用すればより安定した投資につながると考えます。これについては次回お伝えしますので、気になる方はぜひチェックしてください!

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