真っ赤な聖地、熱気で染まる…「始まる前から泣く」浦和サポ、選手の背押した大声援 アルヒラルサポも来場

スタンドから浦和を応援するサポーターたち=6日、埼玉スタジアム

 サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦が行われた6日、試合会場となった聖地埼玉スタジアム(さいたま市緑区)は、浦和の5大会ぶり3度目の優勝を願う5万3千人のサポーターの熱気が最高潮に達した。スタジアムは浦和の赤いユニホームを着たサポーターで赤一色となり、試合終了のホイッスルが鳴るまで一体感のある声援で選手を後押しした。

 試合開始数時間前から、スタジアム周辺には浦和サポーターや普段は他のチームを応援するサッカーファンまで多くの観客が詰めかけた。Jリーグ発足当時から浦和を応援している川越市の会社員佐久間直樹さん(53)は「期待するのはショルツ選手。無失点に抑えてほしい」と話す。妻と娘が作った旗を掲げ「勝たないと帰れない」と意気込んだ。

 生まれた時から浦和ファンという朝霞市の柳谷倫さん(8)も「ショルツ選手はいつもPKを決めてくれる。今日は1―0で勝つ」と目を輝かせた。自身もサッカーをするという姉の春以さん(11)は興梠選手をキーマンに挙げ「ボールキープがうまい。点を決めてくれる選手」と期待を寄せた。

 「Jリーグを応援する者として来た」と乗り込んできたのは明治大学のサッカーサークルの4人組。普段は鹿島ファンの谷田部碧空(あおぞら)さんは「以前鹿島にいた興梠選手が点を取ると思う」と話し、田村隆之介さんは「2点以上取って勝ってほしい」とエールを送った。

 浦和の前身の三菱重工時代からチームを応援してきた柳田和恵さん(54)は、今回のACLでもチームを追いかけて応援した。「勝ったらもちろん泣くけど、始まる前から『よくここまで来た』と泣くと思う」と感無量の様子。ただ「相手も強いから、引き分けか1―0かな」と試合を予想した。

 相手は強敵のアルヒラル(サウジアラビア)だ。出張を兼ねて首都リヤドから来日し、スタジアムで声援を送ったサウジアラビア人の男性(37)は「(アルヒラルは)ACLでは最強のチームだよ。今日は3、4点は取る」と自信満々。別のサウジアラビア人男性(35)は少し考えてから浦和の攻撃を「0点か1点かな」と予想し、日本語で「(アルヒラルが)勝ちます」と不敵な笑みを浮かべた。

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