神奈川県内有数の産地でもある小田原の梅を使った「梅ジャムデニッシュ」が、県内のスーパーなどで販売されている。食品大手の山崎製パンとJAかながわ西湘などが連携し、規格外などの理由で流通しない農産物を有効活用することで、高齢化する農家の支援にもつなげたい考えだ。開発担当者は「小田原の梅の魅力を味わって」と売り込んでいる。
デニッシュには梅干し用の十郎梅をすりつぶしたジャムをミルクホイップとともに挟んだ。若々しい青梅を使ったジャムは鮮やかな緑色で、開発を担当した同社の猪有紗さんは「すっきりとした爽やかな味わいで、これから暑くなってもおいしく食べられる」とアピールする。
同社はJA西湘などと地場産の農産物を活用した商品開発に取り組んでおり、2021年には小田原のミカン、昨年は西湘地区でミカンから転作の進む湘南潮彩レモンを使った菓子パンを約15万個販売した。
第3弾となる今年は北條五代祭りが開催される5月のタイミングで、小田原特産の梅を使った商品に着目した。小田原の梅は戦国時代に北条家が糧食として生産を始めたとされ、曽我梅林は県内屈指の梅の花の名所として知られる。市内では十郎梅のほか、梅酒用の白加賀など年間約200トンが集荷されている。
JA西湘の天野信一組合長は「気候変動の影響で商品にできない梅も増えている。加工品としての利用を進めないといけない」と歓迎。同社は6月末までに約30万個の販売を見込み、同社横浜第一工場の近藤康之工場長は「味もより一層レベルアップし、若い女性を中心に人気が出るはず。少しでも地域貢献になれば」と意気込んでいる。
1個135円(税抜き、参考価格)で県内のスーパーやデイリーヤマザキなどのコンビニで販売している。