福井県で捕まった駆け落ち男女の悲恋…女性と母を手にかけ切腹 「おはや良作」200年超過ぎた今も法要営まれる物語

供養塔の前で営まれた良作とはやをしのぶ法要=5月6日、福井県坂井市坂井町長畑

 江戸時代の悲恋物語「おはや良作」で知られる、加賀藩士の次男安達良作と町人の娘はやをしのぶ法要が5月6日、福井県坂井市坂井町長畑で営まれた。

 良作とはやは1808年、身分違いの恋に落ちて駆け落ちした。2人を追ってきたはやの母そよらに長畑付近で捕まり、連れ戻される途中で思い詰めた良作がそよとはやを手にかけ、自らも切腹したとされる。

 法要は良作とはやの命日に合わせ、長畑にある供養塔前で営まれ、地元住民ら約20人が参列。良作の遺言状などの資料を保管する演仙寺(同市)の多田文樹前住職がお経を読み上げた。

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 供養塔は1841年に建立されたが、1948年の福井地震で亀裂などが入ってしまっため、2016年に地元有志らが修復した。法要も同年から毎年営んでいる。

 供養塔修復に携わった住民(77)は「区の行事として、法要はこれからも続けたい。今後は若い人にも参加してもらえれば」と話した。

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