キッスや矢沢永吉を撮影、ほりたよしかさん東京で初個展 福井県出身、2001年をテーマに124点

展示を前に「アーティストのエネルギーを感じてほしい」と話すほりたよしかさん=5月1日、東京都港区の赤坂Bizタワー

 レディー・ガガやポール・マッカートニーら、世界的なミュージシャンの撮影を担当する福井県福井市出身のロックフォトグラファーほりたよしかさん(57)の初の個展が、東京の赤坂Bizタワーで開かれている。新世紀が始まり、自身もまだ駆け出しだったという2001年がテーマ。ハードロックバンド「キッス」や矢沢永吉らのエネルギッシュな姿が並ぶ。

 ほりたさんは福井県立高志高校卒業後、関西の大学・大学院を経て1993年から音楽雑誌の編集カメラマンに。2000年、34歳で写真家として独立した。01年はプロキャリアが本格化した年だ。同年の撮影作品から、バンドやミュージシャン41組の124点をコラージュ風に展示した。

 「ビッグネームは撮影時間や場所が限られる。その中で創意工夫し、かっこよく撮るのが、ロックフォトグラファーの難しさであり醍醐味」と語る。キッス来日ライブの1枚は、ステージ下の狭い空間から一瞬のパフォーマンスをとらえた。ロックバンド「インキュバス」のポートレートは東京でのフェス後、ありきたりな空き地での撮影だったが、ロサンゼルスの空気感を意識し空や草むらの表現にこだわった。

 個展の開催は「アーティストの名前に乗っかりたくない」と拒否してきたが、新しく映画の仕事を始めた仲間から「あなたが昔、どんな人をどう撮ってきたか見たい」と求められたという。「そういう形なら『自分の写真展』と言えるかなと」と決心した。

 プロ数年後にはレディー・ガガやポール・マッカートニーらから来日時の専属カメラマンに指名されるようになった。ミュージシャンの信頼を裏付けるように、会場にはハードロックバンド「MR.BIG」の世界的なベーシスト、ビリー・シーンや、TVアニメ「鬼滅の刃」オープニング曲が大ヒットしたLiSAらが「彼女は“生きざま”をとらえる真のアーティスト」と言葉を寄せている。

 個展は5月7日まで。ほりたさんは「22年前のアーティストのエネルギーを感じ、見る人それぞれの01年を思い出してもらえたら」と話している。

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