傘寿迎え版画展 足利の人見さん 風景や植物など力作16点展示

個展を開いている人見さん

 【足利】木版画を趣味とする緑町1丁目、人見嘉郎(ひとみよしろう)さん(80)の個展「傘寿の版画展」が、栄町2丁目のカフェギャラリーCRO(くろ)で開かれている。風景や植物などを題材にした16点を展示している。16日まで。

 市内の自動車部品製造会社に勤務していた人見さんが木版画を始めたのは1990年ごろ。印刷より気持ちがこもると、独学で木版画による年賀状を作り始めた。

 2010年に68歳で本格的に木版画を習い始めてからは、個展を開いたり、公募展に出品したりするなど精力的に活動。ここ数年は新型コロナウイルスの影響で作品の発表を中断していたが、傘寿を迎え、コロナ禍も落ち着いたため、5年ぶり5回目の個展開催に踏み切った。

 今回の目玉作品は「常夜灯のある港町・鞆の浦」。カレンダーに載っていた写真を忠実に表現しようと、制作に367時間を費やしたという力作だ。

 現在も新作を手がけているが、年齢を考慮すると今回が最後の個展かもしれないという人見さん。「気力が必要だが、今後も挑戦したい題材があれば作品を作りたい」と話している。

 10、11日は休み。午前10時~午後6時(最終日は3時)。入場無料。(問)同ギャラリー0284.64.9639。

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