「譲り合いの心を持って、子ども守ろう」大津園児死傷事故4年、現場で冥福祈る

園児らが死傷した現場で花束を供える男女(8日午前11時4分、大津市大萱6丁目)

 2019年に大津市で散歩中の保育園児らの列に車が突っ込み、園児2人が死亡、園児ら14人が重軽傷を負った事故は8日、発生から4年を迎えた。現場となった交差点には市民らが花束や菓子を供えに訪れ、幼い犠牲者の冥福を祈った。

 近くの70代女性は、日常的に通行する歩道で起きた事故に心を痛めたという。事故後、柵が設置されるなど安全対策が進んだことに安堵(あんど)し、「ドライバーのちょっとした気の緩みで事故が起こる。ゆとりを持って運転してほしい」と願った。

 滋賀県警大津署員や大津交通安全協会の会員ら約40人は、事故が起きた大萱6丁目など市内5カ所の交差点で「子ども守ろう」などと書いたプレートを掲げ、ドライバーに安全運転を訴えた。

 大津署の高岡裕子交通第1課長は「直進車と右折車どちらかが譲り合いの心を持てば『右直事故』は起きない。気持ちに余裕を持って運転してほしい」と話した。

 事故は19年5月8日午前10時15分ごろ発生。直進車が右折車と衝突した弾みで信号待ち中の園児らをはね、園児2人=ともに当時(2)=が死亡、園児11人と保育士3人が重軽傷を負った。右折車の女性(56)は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪で20年2月、禁錮4年6月の実刑判決を受けて確定。直進車の女性(66)は不起訴処分となった。

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