スプレー缶などでごみ収集車火災多発、1000万円超で買い換えも 市「ルール守って」

4月12日に発生したパッカー車の火災現場。リチウムイオン電池が原因とみられる(亀岡市余部町)

 京都府亀岡市で、ごみを収集するパッカー車の火災が後を絶たない。本年度も4月12日に余部町であり、2019年度以降で8件となった。昨年10月には車両が激しく損傷したため、1047万円かけてパッカー車の買い換えを余儀なくされた。スプレー缶やリチウムイオン電池、ライターが発火したのが原因で、市は「正しく分別されていれば起きなかった。ルールをきちんと守ってほしい」と強く訴える。

 千代川町の住宅地で昨年10月5日、埋立てるしかないごみ(陶磁器、ガラス類など)を回収していたパッカー車から、激しい炎と煙が上がった。市資源循環推進課によると、スプレー缶の可燃ガスが積載部で充満し、別の袋に入っていたリチウムイオン電池から火花が出て引火したという。作業員にけがはなかったが、車両は廃車となり新車を購入した。

 スプレー缶やリチウムイオン電池、オイルが残ったライターは、パッカー車の圧縮機で押しつぶされると発火するおそれがある。市ではスプレー缶は空き缶と、リチウムイオン電池は乾電池やコイン電池などとそれぞれ一緒に、ライターは個別に回収している。

 8件の火災は、埋立てるしかないごみか燃やすしかないごみ(生ごみなど)に混入していた。市は分別が不十分なごみは回収せず、警告文を張っている。だが、1台で1日最大約100カ所を回るため「全てチェックするのは難しい」(同課)上に、袋の奥に紛れていることも多いという。

 同課は「作業員のけがや、住宅に燃え移る危険もある」として、SNSも活用し市民に注意を呼び掛けている。

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