京アニ放火事件、京都地裁で公判前整理手続き始まる 青葉被告は出席せず

京都地裁

 36人が死亡した京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人や現住建造物等放火などの罪で起訴された青葉真司被告(44)の第1回公判前整理手続きが8日、京都地裁で開かれた。関係者によると、青葉被告本人は出席しなかった。9月にも予定される裁判員裁判の初公判に向けた調整が本格化する。

 公判前整理手続きは、裁判官と検察官、弁護人が争点や証拠を絞り込むため非公開で協議する。公判の日程も含めて、具体的な審理計画を取り決める。主な争点は刑事責任能力の有無や程度になるとみられる。

 関係者によると、公判は9~12月に行う方向で調整しており、判決は来年以降になる可能性もある。

 起訴状では、青葉被告は2019年7月18日午前10時半ごろ、京アニ第1スタジオに侵入。ガソリンをまいて放火して全焼させ、屋内にいた社員36人を殺害、32人に重軽傷を負わせたとしている。

 青葉被告自らも重度のやけどを負い、治療を経て京都府警が20年5月に逮捕。地検は同6月から半年間の鑑定留置を実施し、同12月に起訴した。その後、弁護側の請求で2度目の精神鑑定が行われ、昨年3月までに終了した。

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