つらい節約していませんか? 家計のスリム化を目指すなら「いつものお金」と「特別なお金」に分けて考えよう

「将来お金に困らないか不安…」「老後資金はどれだけあればいいのだろう…」

そう悩む人も多いでしょう。

この問題を解決するには、まずは自分の「家計サイズ」を知ることが近道です。そして家計サイズをコンパクトにできれば、それだけで今後のお金の不安も小さくなるはず。今回は、「家計サイズ」のチェックポイントと、コンパクトにする方法についてお伝えします。


支出を「いつものお金」と「特別なお金」に分ける

ご自身が1カ月あたり、いったいどれだけのお金を使っているかご存じでしょうか。

手取り収入が28万円の場合で考えてみましょう。毎月の貯蓄が0円なら、手取り収入の28万円が、1カ月で使うお金です。貯蓄が3万円できている人は、28万円から3万円を引いた25万円が、1カ月で使うお金になりますね。仮に1カ月で使うお金が25万円だとして、この支出を2つに分けて考えてみましょう。

よくお伝えしている分け方は、「固定費(毎月一定額出ていくお金)」「流動費(気分などによって支出額が変わるお金)」の2つなのですが、今回はちょっと視点を変えて、「いつものお金」と「特別なお金」に分けて考えましょう。

まず「いつものお金」とは、何気なく当たり前のように使っているお金のこと。必要経費とも言えます。これが増えても生活の質にあまり変化はなく、かといって意識的に減らすことが難しいお金です。

そして「特別なお金」とは、楽しみなど、ワクワクや特別感を感じるお金のことです。これが増えると生活の質がアップしますし、かといって使いすぎると「贅沢をしてしまったかも…」と感じるお金です。

具体的には次のようなイメージです。

「いつものお金」…家賃、水道光熱費、スマホ代、食費、保険料など

「特別なお金」…外食費、趣味費、洋服代、美容費、外食費、旅行代、サブスク代など

この分け方は人によって異なります。

「仕事柄、外食(または洋服やメイク)はマストなので、その費用の一部は“特別なお金”ではなく、“いつものお金”だ」という方もいるでしょうし、「食費といっても、食材や調味料などにこだわっているので、一部は“特別なお金”だ」という方もいるでしょう。

上記の細かい分け方は、あくまでも一例だと考えてください。

“いつものお金”のスリム化を考えよう

では、自分の「いつものお金」について注目してみましょう。

必要経費ともいえるこのお金は、普段当たり前のように使っているお金です。

このお金をある程度まで減らすことができれば、“特別なお金”を増やすことができ、生活の質アップにもつながります。「いつものお金」が最低限どれくらいあれば、不快感なく生活していけるのかを見ていきましょう。

家賃は、どこまで下げることが可能でしょうか。引っ越しをしてまで家賃を下げたくない人も多いかもしれませんし、すでに超低金利の住宅ローンを返済中で、見直しの余地がない人もいるかもしれません。

でも「都心からやや離れたエリアでもいいな」「駅から徒歩5分のマンションでなくても、バスを使ってちょっと遠いところでもいいかな」などと考えると、家賃を下げることも可能かもしれません。

また、スマホ代を下げる余地はありそうでしょうか。同じキャリアでも格安プランに乗り換えることで月5000円ほど下げることも可能ですし、使わないオプション(留守番電話やかけ放題など)をカットすることで、数百円カットできるかもしれません。

食費については、ぎりぎりまで食費を抑えるという意味ではなく、例えば食品ロスを減らしたり、忙しくて自炊できないときは、ごはんだけ炊いておかずを買って帰ったりなど、無理なく少し抑えることが可能かを探ってみましょう。

保険料も改めて見直してみて、万一の時に公的保障や勤務先からの手当などを把握したうえで、必要な保険はどれくらいかと考えてみます。

そうすると、「いつものお金」がどんどんスリム化できるはずです。

“いつものお金”が減れば、“特別なお金”と“貯蓄”が増える

そうして「いつものお金」をスリム化できれば、同じ収入でも“特別なお金”と“貯蓄”に回すお金を増やせます。

また、いずれ年金生活になったときでも、生活に最低限必要な「いつものお金」の金額がわかっていれば、あとは楽しむためのお金として毎月いくら上乗せしたいかを考えながら、老後資金の計画が立てられるでしょう。

「いつものお金」を減らすことができれば、「特別なお金」にお金を回して、日々の楽しみを増やしたり、自己投資をして収入アップを目指したりと、よりよいお金の使い方ができるようになります。また、貯蓄に回すお金も増やせるので、将来自分がたくさんお金を使いたいと思ったときにも、助けられるはずです。

今回は「いつものお金」と「特別なお金」の2つに分けて、「いつものお金」をスリム化することの大切さをお伝えしました。物価上昇で生活を圧迫する中、節約をしようと、つい「特別なお金」を減らしがちですが、それでは生活の質が落ちてつらくなってしまいます。

まずは「いつものお金」に目を向けて、少しでもスリム化を目指してみてください。

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