法的位置付け移行 「コロナ5類」新たな日常に 長崎県内、総感染者33万人超

 新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けが8日、「5類」に移行し、新たな日常が始まった。行政が要請してきた感染対策は個人や事業者の判断になり、感染者の全数把握は7日で終了。8日に公表された7日までの長崎県内の総感染者数は33万8724人、死者は647人に上った。長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は8日の会見で「ゼロか百かではなく、3年間の経験を生かして状況に応じた感染対策を」と県民に呼びかけた。
 医療提供体制も大きく変更。これまでは限られた医療機関で対応してきたが、今後は季節性インフルエンザなどと同様に外来、入院ともに幅広い医療機関での対応が求められる。医療費はゾコーバなどのコロナ治療薬を除き原則、自己負担となる。
 変異株「オミクロン株」への置き換わりで重症化リスクは減ったが、高齢者や基礎疾患がある人は引き続き注意が必要。入院患者の多くは重症化リスクが高く、医療関係者の間では院内感染を懸念する声は多い。
 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用などで多大な影響を受けてきた飲食業や観光業は客足の回復に期待を寄せる。
 県内では2020年3月14日に1人目の感染者を確認。同4月23日に初めて感染者が死亡した。ウイルスは変異を繰り返し、大型連休やお盆、年末年始など人の往来が増えた時期に感染が拡大し、これまで8回の流行の波が発生。22年夏の第7波では8月19日に1日としては最多となる4610人の感染者を確認した。

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