山形銀が新人事制度 職種3コース、転勤の有無など選択制に

山形銀行本店(資料写真)

 山形銀行は8日、新たな人事制度の運用を1日に始めたと発表した。職種は現行の総合職とエリア総合職を統合した「基幹職」のほか、事務に従事する「サポート職」、高度専門業務に従事する「専門職」を新設して3コースにし、転居を伴う転勤の有無とともに選択制にした。人事制度改定は16年ぶりで、行員の働きがいを高めるのが狙い。

 併せて給与体系も見直し、平均3.29%賃上げした。若年層に限ると賃上げ率は同4.44%になった。

 基幹職は法人や個人、デジタル、リスクマネジメント、マーケットから分野を選択できるようにし、希望するキャリアを形成しやすくした。専門職はコンサルティングなど高度な専門知識を要する業務を担い、従来の銀行業の枠を越える仕事の内製化を進める。

 新入行員は経験を積んだ後、働き方を選べるようになる。転勤の有無は育児や介護などライフイベントや個々の事情に応じて選べ、転居可能な行員には手当を支給する。いずれも選択の機会は毎年設ける。上位職位への早期登用も進める。

 研修や副業、ジョブ公募など自律的なキャリア形成を支援するキャリアチャレンジ制度は拡充し、対象を拡大した。チャレンジ目標制度も導入し、行員の挑戦的な取り組みを支援することで、意欲向上と挑戦できる風土づくりにつなげる。配偶者と同居可能な地域で勤務できる制度も取り入れた。不妊治療と仕事の両立を支える特別休暇制度は4月から実施している。

 改定は行員一人一人が専門性とやる気を高め、活躍できる環境づくりが目的。同行は「行員の多様な価値観を尊重し、年齢や性別にかかわらず、自身の強みや持ち味を最大限に発揮できる人事制度に変更した」としている。

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