8日、広島県福山市の公園で杉の木が倒れ、ブランコが大破しました。当時、公園に利用者はいませんでした。市民からは倒木を心配する声が寄せられていましたが、市はその後、現場を確認していませんでした。
杉木健那 記者
「公園にある大きな木が根元から倒れているのが確認できます。近くの遊具に覆いかぶさっている状態です」
福山市によりますと、8日午前8時半ごろ、福山市向陽町の公園で利用者から「木が倒れている」などと市に連絡がありました。
市の職員が確認したところ、公園の敷地内に植えられていた杉の木(高さ約16m、太さ約1m75cm)が倒れ、4連ブランコが大きく壊れていました。当時、公園の利用者はいなかったということです。
市は、なんらかの原因で自然に倒れたとみていて、現在、遊具の使用を停止して、近く倒れた木を撤去するとしています。
市には、ことし3月、倒木を心配する声が市民から寄せられていました。子どもがこの公園をよく利用するという人は…
福山市に連絡した人
「福山市の方に根本が腐っていて危ないから一度、確認してくださいとお話して、電話で問い合わせをしていた。怒りの感情はある。早めに対応してほしかったという。いろんな公園をしっかり点検してもらって、安心してみんなが遊べるように、ちゃんと管理をしてもらいたいなと思う」
市民から連絡を受けた後、市は公園の状況を一度も確認していなかったということです。
福山市 公園緑地課は、9日、「電話対応した職員が3月末で退職し、引き継ぎが行われていなかったことなどで緊急度合いの把握ができていなかった」としていて、「重く受け止め、安心安全に公園を利用してもらえるよう努めていきたい」としています。
午後、市の依頼で倒れた木を調査した樹木医は、まだ詳しく調べる必要があるとしたうえで…
大信産業 村上幸弘 樹木医
「そんなには傷んでいない」
― 古くなって腐って折れたということは?
「ないですね。天気が1つの要因だと思う」
― この間の雨が原因?
「それが最後の引き金になったかもしれない」
市は、倒木の原因を特定し、ほかの樹木の緊急点検をするほか、ほかの公園も順次、点検するとしています。