これまで多くの名選手を生み出してきたバイエルン・ミュンヘン。ブンデスリーガの他のクラブから選手を引き抜くだけでなく、下部組織からも有力なスターが輩出されている。
今回はそのバイエルン・ミュンヘンの下部組織を経験した選手の中から「歴代ベストイレブン」を選んでみた。
GK:ゼップ・マイヤー
バイエルン所属:1959~1979
国籍:ドイツ
バイエルンのアカデミーは数多くの名ゴールキーパーを生み出してきたが、その中でも突出した存在はゼップ・マイヤーであろう。今もバイエルンでの出場試合数706という記録は歴史上最多のものである。
現役時代は世界最高の守護神として名を馳せ、「アンツィングの猫」という愛称でも呼ばれた。引退後は指導者になり、1994年から2008年はバイエルン・ミュンヘンで、1988年から2004年はドイツ代表でGKコーチを務め、多くの後進を育てた。
CB:フランツ・ベッケンバウアー
バイエルン所属:1959~1977
国籍:ドイツ
もちろんバイエルン・ミュンヘンの下部組織出身の世界スーパースターといえばフランツ・ベッケンバウアー。「カイザー(皇帝)」と呼ばれたそのリーダーシップ、そして守備だけではなく攻撃でも力を発揮するパーフェクトなリベロであった。
選手としてだけでなく監督としてもワールドカップを制覇した数少ない人物の1人(他はディディエ・デシャン、マリオ・ザガロのみ)であり、バイエルン・ミュンヘンでも監督や会長を歴任した。
CB:マッツ・フメルス
バイエルン所属:1995~2008、2016~2019
国籍:ドイツ
バイエルン・ミュンヘンに2回所属した珍しい選手の1人。下部組織からトップチームに昇格したものの出番があまりなかったことからボルシア・ドルトムントへ移籍し、そこで世界的なセンターバックに成長した。
そして2016年にバイエルン・ミュンヘンへと復帰。3シーズンプレーしたあとには再びボルシア・ドルトムントへと戻るという貴重なキャリアを描いている。
CB:ハンス=ゲオルク・シュヴァルツェンベック
バイエルン所属:1962~1981
国籍:ドイツ
非常に素晴らしいディフェンダーを多く生み出したバイエルン・ミュンヘン。マルクス・バッベルやサミュエル・クフォーなどもいるが、やはりそこはワン・クラブ・マンでもあるシュヴァルツェンベックを選んだ。
1966年にトップチームへ昇格し、それからバイエルンで416試合に出場。ゲルト・ミュラーからキャプテンを受け継ぎ、そしてパウル・ブライトナーに後を託している。
右WB:フィリップ・ラーム
バイエルン所属:1995~2017
国籍:ドイツ
両サイドバックやボランチなど様々なポジションをこなし、長年バイエルン・ミュンヘンの主力として戦ったフィリップ・ラーム。守備力だけでなく、ゲームメイクやパスセンスにも優れ、極めてクレバーな試合の読みを備えていた。
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ジョゼップ・グアルディオラ監督にも非常に愛され「これまでで最も知的な選手」と称賛された。33歳で引退後はEURO2020の大使、EURO2024のトーナメントディレクターを務めている。
左WB:ハンス・プフリュグラー
バイエルン所属:1975~1997、2001~2002
国籍:ドイツ
センターバックと左サイドの両方でプレーできたハンス・プフリュグラー。1981-82シーズンにプロデビューを果たしてから長くバイエルンに貢献していたが、1991-92シーズンには出場機会が減少したため現役引退を決断。
それからバイエルンのアマチュアチームに移ってプレーしつつ、クラブのマーチャンダイジング部門で働いていたが、負傷者の続出によって1995年に呼び戻されるという珍しいエピソードがある。また1997年にクラブを離れてからもアマチュアでプレーし、2001年に42歳でバイエルンのアマチュアチームに呼び戻されている。
DMF:ダヴィド・アラバ
バイエルン所属:2008~2021
国籍:オーストリア
現在レアル・マドリーで活躍を続けるオーストリア代表のダヴィド・アラバ。オーストリア・ウィーンから2008年にバイエルンの下部組織に加入し、ユースからリザーブ、そしてトップチームへと立て続けに昇格していった。
代表では攻撃的なポジションでプレーしていたものの、クラブでは左サイドバックやセンターバックとして活躍。バイエルン・ミュンヘンに長く貢献した後、2021年にスペインへと渡っていった。
CMF:トーニ・クロース
バイエルン所属:2006~2014
国籍:ドイツ
ハンザ・ロストックから2006年にバイエルンのアカデミーへと移ってきたクロース。17歳でブンデスリーガにデビューし、当時のクラブ史上最年少出場記録を破っている。レヴァークーゼンへのローン移籍でブレイクしたあと、バイエルンの主力として見事な活躍を見せた。
2013年にはマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が噂されたがそれを断り、次年度にレアル・マドリーへと加入。それから長くスペインで活躍を続けている。
CMF:バスティアン・シュヴァインシュタイガー
バイエルン所属:1998~2015
国籍:ドイツ
ユース時代はスキーでもトップクラスのアスリートだったというシュヴァインシュタイガー。1998年にバイエルンの下部組織に加入し、サイドバックやアタッカーなど様々なポジションでプレーして台頭。トップチームでは攻撃的MFとしてデビューしたが後にボランチへとコンバートされ、さらに才能を開花させた。
フィリップ・ラームからキャプテンを受け継ぐなどバイエルンのファンに愛される存在だったが、2015年にはキャリアの締めくくりとしてマンチェスター・ユナイテッドへ移籍していった。
FW:トーマス・ミュラー
バイエルン所属:2000~
国籍:ドイツ
10歳でバイエルン・ミュンヘンの下部組織へと加入してから、23年にわたって所属し続けているワン・クラブ・マン。2008-09シーズンにトップチームでデビューを果たし、2009-10シーズンにはレギュラーとして34試合に出場、13ゴールを決める活躍を見せた。
このところはゴール数が減ってはいるものの、今なおバイエルンの前線に欠かせない存在。ブンデスリーガ11回優勝という記録は歴史上最多の個人記録である。
FW:ジャマル・ムシアラ
バイエルン所属:2019~
国籍:ドイツ
バイエルンの下部組織からは有名なディフェンダーが数多く生まれているが、一方で前線のアタッカーはそれほど目立った選手がいない。しかしようやくここで出てきたジャマル・ムシアラである。
2019年にチェルシーからバイエルンの下部組織に移ってきた彼は、次年度には早くもトップチームにデビュー。17歳と115日で初出場し、17歳と205日でブンデスリーガ初ゴールを奪った。期待値も込めて彼をベストに選出。