茨城空港 旅客2倍増 22年度 需要回復59万人超

茨城県は9日、茨城空港(小美玉市)の2022年度の旅客数は約59万6千人だったと発表した。国内線が99.8%を占め、前年度から2.1倍に急増。国内線としては、過去最多だった19年度に次いで2番目に多かった。県はコロナ禍の落ち着きや政府の全国旅行支援を受けた観光需要の回復が要因とみている。

旅客数は、国内線と国際線について東京航空局が公表。コロナ禍で運航が国内線のみだった21年度(27万9795人)から約31万6700人増え、計59万6536人だった。

このうち、国内線は59万5393人で、21年度から約31万5600人増えた。スカイマークの定期便4路線(札幌、神戸、福岡、那覇)が昨年7月から全て運航を再開し、夏の観光シーズンと重なった8月の利用者は前年同期から2.3倍増となった。全国旅行支援が始まった10月以降も利用者は増え、12月は2.1倍増だった。

新型コロナの流行「第8波」が起きた1月は前月から利用が減少したものの、2月以降は再び増加に転じた。3月の利用者は6万3352人で、1カ月当たりの利用者数としては、比較できる12年以降では19年8月の6万7807人に次いで多かった。

コロナ禍で約3年間運休した国際線は3月末に一部再開し、1143人だった。タイガーエア台湾の台湾・台北定期便と、ソウル発連続チャーター便(往路のみ)の計7便が運航され、平均搭乗率は約9割と好調だった。台湾便は4月から高雄との連続チャーター便も運航が始まり、インバウンドの需要拡大が期待される。

一方、中国便は20年2月から春秋航空の2路線(上海、西安)と、青島航空の連続チャーター便3路線(長春、福州、南京)が運休しており、いずれも運航再開のめどは立っていない。

県空港対策課の伊藤正敏課長は「台湾からの誘客に取り組むとともに、コロナ禍前に利用が多かった中国便再開へ働きかける」と強調。茨城空港から出発するアウトバウンドも重視し、旅行会社などに一層の利用を促す方針。

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