「クラブを握ったのは4日前」松山英樹は首痛からリスタート

練習場で打ち込みを行う松山英樹。約一カ月ぶりの出場となる(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン選手権 事前情報(9日)◇TPCクレイグランチ(テキサス州)◇7414yd(パー72)

松山英樹は開幕2日前までの練習でみっちりと球を打った。テキサス州ダラスの日中はこの日、最高気温29℃と汗ばむ陽気で強い日差しが照り付けた。午前中からパッティングを入念に行い、打撃練習場に移って一通りのクラブを練習。時折汗をぬぐいながら、フルスイングを繰り返した。球数も多く、痛めている首を気にする素振りはなかった。

4月の「マスターズ」の後、日本に一時帰国して首の治療に専念し、先週の「ウェルズファーゴ選手権」も直前に出場を取り下げていた。「クラブを握ったのは4日前」と明かす。実に1カ月近く、打ち込みから遠ざかっていたことになる。

「(医師に)2週間は安静にしてくださいと言われて、それで痛みが取れるかな…と思ったけれど、なかなか取れなくて。別のところでも治療方法を聞いて、この先どうしようかと思ったら風邪を引いて、それが長引いてしまって…」と痛みとの闘いは続いているようだ。

9番ホールで快心のティショット(撮影/服部謙二郎)

患部に負担のかからないスイングを模索しているのか、打つ前に体の使い方をしきりにチェック。「長くゴルフを続けようと思うなら(首への)負担を減らさないといけないし、でも成績を出したい自分もいる。そこの葛藤で今はいろんなスイングをしちゃう」ともどかしさを口にした。

特に繰り返していたのは、切り返し以降のシャドースイング。「(ワールドレディスサロンパスカップで優勝した)吉田優利ちゃんのスイングを見てふと思ったことがあって。『これだったら首の負担が減るかな』というのが見えた気がしたのでやってみました」と、好調選手のスイングからヒントを探していた。

練習場でシャドースイングを繰り返す(撮影/服部謙二郎)

マスターズの初日にフェアウェイキープ100%の数字を出すなど、取り組んできたスイングづくりが実を結びつつあるように見えたが、「あのスイングは悪くはなかったと思います。負担が少なくなりそうという狙いでやっていたのに、結局、首が痛くなっちゃったので…」と悩ましい。「全部がスイングのせいじゃないですけどね。これからどうしていこうかなと考えながらやっています」とまた仕切り直しだ。

復帰戦は前年、最終日に「62」を出して優勝争いにも絡んだイメージの良い試合。「いきなり来て、こんなに練習していなくて上位で優勝争いなんて無理な話だと思っています。でも、ショットもパットもいいものが見つかれば上に行くチャンスもあるんじゃないかな」と期待を寄せる。来週に迫るメジャー今季第2戦「全米プロ」に向けて弾みをつけたいところだ。(テキサス州ダラス/服部謙二郎)

新しいキャメロンのパターでパット練習(撮影/服部謙二郎)

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