竹内(NDソフト)五輪の挑戦権狙う MGCめざし、28日オタワマラソン

オタワマラソンに向けて走り込む竹内竜真(中央、NDソフト)=南陽市内

 本県長距離界のエース竹内竜真(NDソフト)が2024年パリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権獲得に向けて勝負を懸ける。カナダ・オタワを舞台とした28日の国際マラソンにエントリー。タイム次第でMGC出場が決まるだけに「チャンスをものにするのはもちろん、入賞して今後の自信につなげたい」と気合十分だ。

 「しっかり練習を積むことができている」。起伏のある南陽市内のコースで30キロ走をこなすなど、きついメニューに向き合う30歳の声は弾む。「過去にないくらい一番調子がいい」。充実感がにじむ表情からは自信も垣間見える。

 直近2レースの平均タイムが2時間10分以内とするワイルドカードでのMGC出場を狙う。2月の大阪マラソンで2時間8分57秒の本県最高記録をたたき出しており、オタワマラソンは2時間11分3秒がターゲットタイムとなる。

 勝負のレースに向けて走りの感触は良く、先月の日体大記録会の1万メートルで28分21秒21の好記録をマーク。県縦断駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会など主催)では1キロ3分前後のペースを刻んで14区(尾花沢―村山)の18.1キロを走り抜けた。「本番に向けて全てが順調に進んでいる」と飛躍の手応えを感じている。

 東根市出身で昨季チームに加入した。マラソン歴は10戦以上で、昨年末の防府読売マラソンで2時間11分7秒をマーク。大阪マラソンでさらにタイムを縮めたが、MGCの出場権獲得にあと4秒足りなかった。悔しさを胸に海外レース挑戦を決断した。

 実業団の強豪・日立物流(現ロジスティード)から移籍したきっかけの一つに、本県陸上界の活性化がある。オタワマラソンで設定タイムをクリアすれば、パリ五輪の代表枠を争うスタートラインに立つことができる。帰郷後も着実な成長の軌跡を描くからこそ「山形でさらに強くなったことを証明したい」。勝負の舞台を見据えて意気込んだ。

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