交付税減額、泉佐野市が逆転敗訴 ふるさと納税巡り、大阪高裁

大阪高裁が入る大阪高等・地方・簡易裁判所合同庁舎

 ふるさと納税で多額の寄付を得て財政に余裕があることを理由に国が特別交付税の減額を決定したのは違法として、大阪府泉佐野市が国に減額決定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が10日、大阪高裁であった。冨田一彦裁判長は、減額を違法とした一審判決を取り消し、市側の訴えを退けた。国も自治体も行政権の主体で、行政内部の紛争だとして「法律上の争訟に該当しない」と判断した。市側の逆転敗訴。

 泉佐野市の千代松大耕市長は「極めて遺憾。最高裁への上告の判断をしたい」とのコメントを出した。

 昨年3月の一審大阪地裁判決は、地方交付税法の委任の範囲を逸脱し違法として決定を取り消し、国が控訴していた。

 泉佐野市は2018年度に全国最多の約498億円の寄付を得た。総務省は19年に省令を改正。泉佐野市への特別交付税額は18年度12月分が4億3502万円だったが、19年度12月分は710万円など大幅に減った。

 国側は、行政処分を不服とする「抗告訴訟」に自治体が原告になることはできず、訴えは不適法と主張していた。

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