近藤勇の甲冑、活用探る 高岡・国泰寺蔵 京都の学術関係者ら

国泰寺の宝物や資料を見学する大石氏(右)=高岡市太田の国泰寺

 高岡市の臨済宗国泰寺派大本山・国泰寺が所蔵する「近藤勇の甲冑」を、文化財の活用などを手掛ける京都のイベント会社が調査に乗りだした。甲冑は2020年に寺が所蔵文化財を確認した際に見つかった「お宝」で、10日は京都から訪れた関係者ら4人が寺の資料などを調べ、活用の可能性を探った。

 幕末に活躍した新撰組局長の近藤勇(1834~68)が身につけたと伝わる甲冑の活用を検討しているのは「京都村正」。日本芸術文化振興会監事で、近世史学者の大石学氏も協力している。

 甲冑は寺の財産目録に記載があり、目録によると、新撰組の前身「浪士組」の旗揚げを担い、近藤の上洛にも同行した幕臣山岡鉄舟(1836~88)が寺に寄進した。山岡は明治天皇が北陸に巡幸した際に同行し、荒廃していた国泰寺再興に関わった縁がある。

 10日は京都村正の村山和正代表と大石氏らが国泰寺の澤大道住職の案内で本殿などをめぐり、山岡が手掛けたとされる書、ふすま絵、前田家、徳川家の位牌を見て回った。市立博物館にも足を運んだ。

 村山代表は「越中と京都とのつながりも視野に入れ、観光につながる手伝いをしたい」と話した。

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