着物姿の早乙女が田植え 茨城の笠間稲荷神社 奉納復活 4年ぶり

着物姿で神饌田に稲の苗を植える早乙女たち=笠間市石井

笠間稲荷神社(茨城県笠間市笠間)の神事「御田植祭(おたうえさい)」が10日、神社の西に約1キロほどの同市石井の神饌(しんせん)田で行われた。青空の下、紺がすりの着物に赤だすき姿の早乙女らが横一列になり、腰を折りながら、稲の苗を丁寧に植えた。

御田植祭は、その年の豊作を祈る神事。育てた稲から取れたお米は、秋の神嘗祭(かんなめさい)で神前に供えられる。

新型コロナウイルスの影響で規模縮小が続いたが、今年は舞殿をしつらえての「稲荷舞」「迦陵頻(かりょうひん)の舞」の奉納が4年ぶりに復活。約50人の参列者が見守った。

斎主の塙敬比古権宮司が祝詞を読み上げるなどした後、「御田植の儀」では県立水戸農高生が務める早乙女6人が、普段、神饌田を管理する奉耕者とともに、水を張った田に入って、泥にすねまでつかって、神妙な様子で青々とした苗を植えた。

早乙女を務めた同校3年、梶山ゆずさん(17)は「以前、学校の授業でやった田植えが楽しかったので、もう1回やってみたかった。しっかり苗を植え付けるのが難しかった。神にささげるものなので、緊張しました」と話していた。

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