1~4月の湯布院町、物損事故の8割が観光客ら 幹部交番が安全運転呼びかけ【大分県】

大型連休中に渋滞する由布市湯布院町。県外ナンバーやレンタカーも目立った=4日午後、由布市湯布院町川上
狭霧台展望台で二輪ライダーに啓発活動をする大分南署員(右)=3日午後、由布市湯布院町川上

 【由布】人気温泉地、由布市湯布院町で1~4月に発生した物損事故のうち、8割が観光客ら同町の住民以外による事故だったことが大分南署湯布院幹部交番のまとめで分かった。交通量の増加を背景に事故数も昨年同時期の約1.5倍に増えた。同幹部交番は「重大事故につながる可能性がある」として安全運転を呼びかけている。11日から「春の全国交通安全運動」が始まる。

 新型コロナウイルス禍から人出が戻り、同町内では昨年から交通事故が増え始めた。対策を考えるため、同幹部交番は1月から事故を起こした人の在住地などの分析を始めた。

 4月末までの集計では、物損事故が昨年同時期比の1.49倍となる247件(82件増)発生。県内全体(同1.16倍=速報値)よりも増加率が高かった。

 町内在住者による事故は19%(48件)で、町外の県内者が19%(46件)、県外者が39%(96件)、外国人観光客が21%(53件)だった。全体のうちレンタカーでの事故が45%(110件)を占めた。発生場所では、観光エリアの同町川上が71%(175件)となった。

 目的の場所を探しながら運転し前方不注意となって事故を起こしたり、レンタカーなど不慣れな車での操作ミスがあったりするという。町内は狭い道が多く▽すれ違い時に対向車と接触▽人をよけようとして壁にぶつける―なども発生している。半数は単独事故だった。

 人身事故は4件で昨年同時期より4件少なかった。

 観光客らに交通安全を呼びかけるため、大型連休中には狭霧台展望台や道の駅ゆふいんで啓発チラシを配布した。宿泊施設にも啓発の協力を求めていくという。

 同幹部交番の小林靖正所長は「レンタカーでの事故の多さなど、観光地ならではの特徴がある。住民には事故に巻き込まれないよう注意して運転してほしい」と話す。

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