3種の苗木300本植樹 茨城森林管理署 検討会で課題共有 茨城・石岡

スギの大苗を植える参加者たち=石岡市内

関東森林管理局茨城森林管理署(金谷範導署長)は10日、林業従事者の夏の酷暑時や急傾斜地での下刈り作業の軽減につなげようと、大苗などの植樹効果を調べる検討会を茨城県石岡市鯨岡の国有林で開いた。通常の苗より背が高い大苗を含む3種類の苗木300本を植樹。参加者は課題を共有し、意見を交わした。

新たに苗を植林する際、約4年間は苗木の成長を妨げないように下刈り作業が必要となる。林業者にとっては、夏場の炎天下で雑草木を刈り払うため過酷な作業となっている。

この日は、同署員が苗の植え方を説明。参加者は苗の成長が早い「特定苗」(スギ・約45センチ)、「コウヨウザン」(約35センチ)、「大苗」(スギ・約80センチ)の3種を植え付け機を用いて1本ずつ植え付けた。苗木を提供した県林業種苗協同組合(水戸市)の大越靖史事務局長は「3種類の苗木を一度に試験的に植樹するのは例がない」と話す。

参加者の一人、造林業「リトルフリーフォレスターズ」(常陸太田市)の職員、郡司哲也さん(34)は「(大苗の)根本の揺れは気になるが、他の雑木と見分けがつきやすく、間違って刈ることが少なくなるのでは」と期待する。

金谷署長(56)は「労働力不足や植栽面積の増加で、今後ますます下刈りが難しくなる」と課題を挙げた上で、「苗木を直接扱ってもらい、技術普及にもつながれば」と期待した。

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