イェ氏との協業商品販売へ アディダス、収益一部寄付

独アディダスのビヨン・グルデンCEO=11日(AP=共同)

 【ロンドン共同】ドイツのスポーツ用品大手アディダスのビヨン・グルデン最高経営責任者(CEO)は11日、人種差別発言を巡って提携を解消した米ラップ歌手でファッションデザイナーのイェ(旧名カニエ・ウェスト)氏と協業した商品の一部を販売することを明らかにした。収益の一部は国際機関に寄付する。ロイター通信が報じた。

 イェ氏と協業した高価格帯のスニーカーは収益の柱だったが、イェ氏が反ユダヤ主義の人種差別的な発言を繰り返したためアディダスは昨年10月に「当社の価値観に反する」として提携関係の解消を公表。小売価格で12億ユーロ(約1760億円)相当の在庫を抱え、経営に大きな打撃となった。

 グルデン氏は年次株主総会で、協業した商品について「燃やして(廃棄して)も解決策にはならない」と表明した。販売の詳細については今後決める見通しだ。

© 一般社団法人共同通信社