高齢男性、コンビニで説得押し切り電子マネー10万円分購入 店員が走って追いかけ、詐欺被害防ぐ 警察署が感謝状 兵庫

高齢男性の詐欺被害を防いだとして感謝状を受けた辻あかねさん=須磨署

 詐欺被害を防いだとして、兵庫県警須磨署はコンビニ店「セブン-イレブン ハートインJR須磨駅改札口店」(神戸市須磨区須磨浦通4)のアルバイト従業員、辻あかねさん(51)に感謝状を贈った。パソコンのウイルス感染の修理名目で金銭を要求された男性を、約10メートル追いかけて被害防止につなげた。

 同署や辻さんによると3月20日夜、80代男性が1人で来店した。男性は電子マネー「グーグルプレイカード」を10万円分購入しようと、辻さんの隣のレジで申し出たという。応対した別のアルバイト男性も被害に遭う寸前であると感じ、「やめた方がいい」などと数分間にわたり説得した。

 2人のやりとりを聞いた辻さん。列に並ぶ来店客に対応後、押し切る形でカードを購入した男性を追いかけた。店舗があるJR須磨駅構内を走り、男性に「『カードを買って番号を伝えるのは詐欺』とテレビで言っていた」などと声をかけた。

 男性もウイルス感染のサポート費用として、10万円を要求されたと打ち明けた。辻さんは「見逃してはいけないという一心。被害を防げて安心した」と笑顔だった。(千葉翔大)

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